クイントオーラルインフォメーション2025
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ク イ ン ト ・ オ ー ラ ル ・ イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン えるのではないかと期待しています。土岡: 本製品の魅力は、 コンパクトな機体にさまざまな機能が詰まっている点でしょうか。顎顔面全体を含めたCBCT撮影から、3Dセファロ分析も可能で、必要に応じて疑似セファロやパノラマエックス線写真を展開できますし、CBCTに高解像度モードがあるというのは非常に魅力的だなと思いました。また、矯正歯科治療の視点からだと、ボーンハウジングの範囲内でしか歯は動かないので、歯根と歯槽骨を診る必要があります。その際、CTを撮影し、アタッチメントロスを土岡:もともと、われわれ3人は東京医科歯科大学(現:東京科学大学)の歯周病科で出会いました。 そこで、 歯周病が進行し、 歯の病的移動が発生した患者さんの治療には矯正歯科治療が必要だという指導を受け、2000年ごろから約25年、歯周-矯正治療に取り組んでいます。工藤:2017年に歯周-矯正治療の研究会「Perio-Ortho-Project」を 立 ち 上 げ、 その際に、 3人で一緒の検査機器を使用してデータを採得していこうということで、エンビスタ社製の「OP 3D Vision」を導入しました(図1)。土岡: 歯周-矯正治療は、 歯周病学用語集1で は「歯 周 病 患 者 を 対 象 と し た 矯 正 治 療」と 定 義 さ れ、 歯 周 病 が 進 行 し た 患 者 さ んの口腔内でよく認められる“歯の病的移動(Pathologic Tooth Migration: 以 下、PTM)”によって生じる炎症や不正咬合を改善するための治療です。PTMを呈した歯周病患者さんでは、咀嚼障害や審美障害、発音障害などを訴える患者さんも多く、それらの治療には、とくに歯周-矯正治療が有効であると考えています。吉野:歯槽骨の骨レベルを生理的な骨形態にするうえで、切除療法を補う効果があるのが矯正歯科治療の魅力です。最近では歯周組織再生療法(以下、再生療法)と矯正歯科治療を組み合わせることで、 再生療法のポテンシャルを上げるなど、進化しつつある分野でもあるので、将来的にもっとできることが増図 1   DEXIS ORTHOPANTOMOGRAPH™ OP 3D Vision。 最大φ23xH17cm まで撮影できるCBCT 装置。10QUINT ORAL INFORMATION土岡弘明 Hiroaki Tsuchioka千葉県開業 吉野宏幸 Hiroyuki Yoshino埼玉県開業工藤 求 Motomu Kudo土岡歯科医院 1997 年、東京医科歯科大学(現:東京科学大学)歯学部卒業、同大学歯学部歯科保存学第2講座(現:歯周病学分野)入局。その後、2005年に土岡歯科医院を千葉県市川市に開設。吉野歯科医院 1999 年、広島大学歯学部卒業、東京医科歯科大学(現:東京科学大学)歯周病学分野入局。その後、2003 年によしの歯科医院を開設。2006年に吉野歯科医院を埼玉県川口市に開設。東京都開業プリズムタワー工藤歯科 2001 年、昭和大学歯学部卒業、東京医科歯科大学(現:東京科学大学)歯周病学分野入局。都内歯科医院勤務を経て、2009 年 に プ リ ズ ム タワー工藤歯科を東京都目黒区に開設。 OP 3D Visionを導入したきっかけ歯周-矯正治療とは?被ばく線量が少なく、オールインワン 被ばく線量が少なく、臨床ニーズに応じて3D撮影領域を選択できる歯科用CBCT装置「DEXIS ORTHOPANTOMOGRAPHTM OP 3D Vision(以下、 OP 3D Vision)」と付帯ソフトウェア「Invivo7」。 本欄では、本製品を歯周-矯正を中心とした歯周病治療に活用している土岡弘明先生、吉野宏幸先生、工藤求先生に、臨床家の立場から、その特長と有用性について語っていただきました(編集部)。P R歯周病治療における歯科用CTの活用~DEXIS ORTHOPANTOMOGRAPHTM OP 3D Visionの有効性~

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