クイントオーラルインフォメーション2025
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ク イ ン ト ・ オ ー ラ ル ・ イ ン フ ォ メ ー シ ョ ンかいところも確認できるというのは診療するうえでのメリットになると思います。工藤:今回、この座談会でお2人と話してとくに実感したのは、時代がどんどんデジタル化していくなかで、アナログでやっていたことが自動化できたり、AIを利用したりと時間短縮ができるようになってきて診療自体が効率的になってきたということですね。そのためには、もちろんアナログで行う診療の知識は必要ですが。吉野:とくに、3Dセファロや3DCTで撮影したデータであれば、よりスマートに患者さんに説明できるし、歯科医師の間でも情報共有しやすいとあらためて感じました。土岡: この「OP 3D Vision」はグレードV17であれば3Dセファロまで使用できます。一般開業医(GP)だからこそ、今まで話してきた歯周-矯正のような治療に取り組めますし、それには、3Dセファロをうまく利用して、治療に役立てることが必要だと思います。ですので、ぜひGPに使ってもらいたいですね。工藤:今後、AI技術の発展にともなってCTそのものも、付帯するソフトウェアもより正確かつ効率的な診療ができるようになり、多岐にわたって進化していくと思います。これからもエンビスタ社にはこのような製品開発を期待しています。本日はありがとうございました。土岡、吉野:ありがとうございました。起こしている箇所等の必要な情報を、1つひとつ確認できるというのはとても便利です。吉野:私も土岡先生と同じように、ボーンハウジングを確認することで、歯周外科治療が必要なのか、そうでないのかを見きわめる際にとても重宝しています。また、私はもともと顎関節や顎位を診断時の核にしているので、本製品導入以前は、側方、正面、その他の細かい部分を見るためにたくさんCT像を撮影しており、患者さんの被ばく線量も多くなっていました。しかし、本製品なら、1回ですべてのCT像を撮影できるので、患者さんの被ばく線量も少なく済みます。この点は大きなメリットであると感じています。さらに、撮影したCT像を術前、術後で重ね合わせるのも容易で、 規格的な資料採得につながっている実感があります。工藤:気道分析が可能であるというのも有用だと感じます。矯正歯科治療を行うと、ダイナミックに歯が動き、舌房や口腔内の容量が変化します。それに応じて、舌が気道を圧迫する量や、気道の体積を測れるのは非常に便利だと感じています。工藤: さらに、 私が便利だと感じているのは、採得したデータを、付帯ソフトウェアである「Invivo7」で統合できるという点です(図2)。たとえば、口腔内スキャナで採得した歯冠形態と、OP 3D Visionで撮影した歯根形態のCT像を統合すれば、矯正歯科治療で歯がどのように動くか、かなり正確に予測できます。これによって、骨に歯があたって動かない、 歯根吸収が発生してしまうといったことも未然に防ぐことができます。また、本ソフトウェアに搭載されている「スーパーインポーズ」機能を用いて、術前、術後のCT像を重ね合わせることで再生療法やGBRの効果を確認することもよくあります。土岡: 本製品だと、 患者さんの頭蓋部までCT像やセファロを撮影できるというのが、すごくよい機能だと思います。下顎の位置は顎位が変わることで変化します。しかし、頭蓋は変化しません。ですので、たとえば3Dセファロなら、 そこを起点に重ね合わせれば、下顎の位置や咬合の変化、偏位などを経時的に見ることができます。1つの基準点ですべての変化がわかるのはすばらしいと思います。工藤:これは、患者さんに説明するときにも便利ですね。吉野:最近は、セファロ分析を自動化するソフトなども、さまざまなメーカーから発売されていますよね。工藤:そうですね。セファロ分析には熟練の技が必要であるといわれています。仮にその技術があるとして、撮影したセファロに数点ポイントを打って、現行製品の自動分析ソフトを使用してみても、うまくいかない部分は手作業で修正しなければいけないので、どうしても時間がかかります。しかし、「Invivo7」を使用すれば、さまざまな分析法をワンタッチで、さらに約40秒で適応できます。ですから、さまざまな診療スタイルにフィットしやすいですし、患者さんが得たい情報や、紹介先への情報量も増えると思います。土岡:1つの作業時間が短縮できれば、そのぶん他の検査にも時間を割けますからね。工藤:重度の歯周炎を治療する前に、本来であれば歯周病で減少した骨の状態をCT撮影し、それをベースラインとしたいんです。歯周炎の場合、初診時は炎症が強いため、歯周基本治療で炎症のコントロールを行います。そうすると、顎の位置や病的な歯の移動も若干改善することがあります。ですから、その前後でCT像を撮りたいのですが、それだと被ばく線量が多くなってしまいます。そのため私は、基本的には歯周基本治療の後にCT像を撮影すると患者さんに説明して、初診時はパノラマエックス線写真を撮影するようにしています。その後、歯周-矯正治療を希望される患者さんの場合、追加でCT像を撮影します。吉野先生はいかがですか?吉野:私も歯周基本治療の後にCTを撮影するのはマストだと思います。もちろん、初診の患者さんで、歯周病が主訴の場合はデンタルエックス線写真や口腔内写真の撮影のみを行います。2、3回目の診療では、咬合も含めた全体像が見たいと理由を伝えて、CTを撮影するようにしています。工藤:土岡先生はいかがですか?土岡:私は、初診時に精密検査をする際、一度にセファロモード(φ23xH17cm)で撮影しています。デンタルエックス線写真だけでもわかることはあるけれど、たとえば、最初に「あなたはこういう骨格で、顎関節はこうなっている」というお話をするためです。さらに、インプラント治療や歯内療法となってくると、より照射野を狭めた撮影をします。情報を増やすことで、患者さんにも、われわれの治療の限界をお伝えできるじゃないですか。そういった情報を伝えることで、患者さんのモチベーションの向上につながる可能性もあります。全体像を把握すると同時に、細参考文献1 .日本歯周病学会(編). 歯周病学用語集 第 3 版. 東京:医歯薬出版,2019.図2 付帯ソフトウェア「Invivo7」。3D 矯正分析やスーパーインポーズ等の機能を有する。問い合わせフォーム11【問合せ先】エンビスタジャパン株式会社〒 140-0001 東京都品川区北品川 4-7-35-13F / 21FTel:0800-111-8600QUINT ORAL INFORMATION デジタル技術との融合セファロ分析の自動化OP 3D Visionを活用する!:CT撮影のタイミングは?おわりに: これからのデジタル化とCTP R

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