ク イ ン ト ・ オ ー ラ ル ・ イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン小さなきっかけが、大きな変化や自信につながっていく“クリニックのため”が、もつ意味時代にあわせた知識のアップデートをQUINT ORAL INFORMATION9 P R安斉安達安斉安達安斉安斉安達安斉安達<引用文献>1.MohammedCI,etal.Efficacyofpreoperativeoralrinsingto reduce air contamination during use of air turbinehandpieces. J Am Dent Assoc. 1964 Dec;69:715-8.PMID142120432.Marui VC, et al. Efficacy of preprocedural mouthrinsesi n t h e r e d u c t i o n o f m i c r o o r g a n i s m s i n a e r o s o l :A s y s t e m a t i c r e v i e w . J A m D e n t A s s o c . 2 0 1 9Dec;150(12):1015-26.e1.PMID317610153.Weber J, et al. Preprocedural mouthwashes forinfection control in dentistry-an update. Clin OralInvestig. 2023 Jun;27(Suppl 1):33-44. Epub 2023 Apr20.PMID370791564.カトウ光研株式会社.歯科治療中に飛散するミストを見える化【飛沫感染のリスクを可視化】.https://www.youtube.com/watch?v=f2DtUI1sJZ0&t=105s(2024 年 5 月 19 日アクセス)5.Fine DH, et al. Reduction of viable bacteria in dentalaerosols by preprocedural rinsing with an antisepticmouthrinse. Am J Dent. 1993 Oct;6(5):219-21. PMID7880461じつは、当院は米軍基地の近くにありまして、アメリカ人の患者さんが多いのですが、やはり術前洗口は ADA のガイドラインにもあり、治療よりも予防やメインテナンス時に取り入れられているようでした。私もアメリカのクリニック見学で、日本にはないような、とても大きな洗口ボトルを見たことがあります。一生分の量が入っているような大きさです(笑)とてつもない使用量ということですよね(笑)歯科衛生士業務としては、メインテナンス業務が主たるところだと思うのですが、PMTC はもちろん、超音波スケーリング、パウダークリーニングにおいても飛沫(図 1)やエアロゾルによる感染のリスクがあります。そのような不安があるなか、術前洗口によって菌数を低減できる(図 2)ことは術者としての安心感につながると思います。洗口液は、その効果が目には見えず体感しにくいものだと思いますが、患者さんが日々のセルフケアに興味をもつきっかけになったことはありました。あまり口腔清掃が得意ではない患者さんでしたが、洗口液を使うことで口腔内の爽快感を実感し、PCR の数値にも変化が出てきたケースがありました。口腔内を他人に見せることって抵抗がありますけど、事前に一度洗口することで安心感を得ることができますよね。そうですね。口臭を気にされる方もいらっしゃいますが、感じ方は人それぞれなので難しいところだと思います。でも、「自信をもてる」という点ではいいことだと思います。こちらからも「使うとお口の中がスッキリしますよ」というアプローチもできますよね。開業医の立場としては、洗口液を使用することは、やはり患者さんの満足度にかかわるのかなと思います。特に、歯科医院専売のものは、「他では買えない」=「意味のあるもの」ということを示しやすいですよね。「ここの医院は一つひとつにこだわっているんだな」と患者さんも思えますよね。初診時のアイスブレイクとして使っていることも多いですね。そこから話が広がり、患者さんのモチベーションが上がるなど、行動変容の入口となることもあり、これからもうまく使っていきたいです。もちろん、「他とどう違うの ?」と聞かれたときに、きちんと答えられるための知識はもっていなければならないと思います。歯科衛生士の教科書では、「洗口液」というセクションが 1 ページあるかないか、また、口腔清掃道具の一つという位置づけでしか記載されていません。口腔内の物理的清掃とあわせて洗口液など科学的清掃によって細菌数を抑えてプラークコントロールを行うということがエビデンスで示され、海外でもスタンダードであるなか、われわれの責任ですが、まだ日本の歯科医療現場ではそこまで追いついていないのが正直なところです。一方で、ドラッグストアなどでも数多く販売され、洗口液を使用されている患者さんは多いです。使用法など適切な指導ができる歯科衛生士を育てていかなければと考えています。
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