歯科衛生士 2024年11月号
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第16回 わざわざそれ用のパワポまで準備して、初めてご来院の患者さんにていねいに当院のスタイルや今後の治療方針、院長やスタッフの思いをお話しする……そんな歯医者さんが増えているのは、とてもすばらしいこと。……には違いないのですが、案外「危険ポイント」の宝庫かも。ぼくの見てきた限り、やらかすのはたいてい院長先生がすごく熱心な医院です。逆に言えば、熱心だからこそパワポも作るし、それをぼくに見せてくれるわけなんですけどね。そして日頃ミーティングで熱い思いを共有しあってるからこそ、命を受けて作成するスタッフさんもやらかします。もったいない(泣)。 ズバリ言います。初診カウンセリングのパワポで圧倒的にやらかす代表例は、「時間を守るように」のお願いです。これ、やっちゃダメ。医院の不利益もさることながら、「あなたご自身、そして順番待ちしてる他の患者さんの健康を守るためにもムダをなくしたいんです」というあたりまえに大事なことをガチで伝えようとしちゃうでしょ。それがダメ。こちら側の思いだけなんだもん。忘れてますよね、患者さんの「初心」。いろんな経緯がありながらも初めてこの医院の扉を押してそこに座ってる人が、今この瞬間にどんな思いなのか。いきなり「遅刻するな」に加えて、思いの強い人ほど言っちゃう「他人に迷惑なんだから」。……どう思います? それも含めた残念例と解決策、ランキング形式でまとめておきますね。Illustration:すぎやまえみこ北折 一Hajime KITAORI健康演出アドバイザー元NHK「ためしてガッテン」演出担当デスク1987年NHKに入局。1995年「ためしてガッテン」立ち上げに参加。以来18年間同番組の制作を続ける。2013年にNHKを退職後、健康演出アドバイザーとして主に健康教育分野で「人びとのよりよい生活のお手伝い」を目指し、講演・執筆活動を行っている。小社刊『歯科衛生士ブックレット Vol.1 説明のプロに聞く! メインテナンスの重要性をわかってもらうには!?』は、Amazon部門別で3ヵ月第1位を記録。November 2024 vol.48さて、いよいよラスト2。これまで主に地域住民さん向け講座やチェアサイドでの患者さん向けの説明用パワポを題材にしてきましたが、今回は需要が増えてる「初診カウンセリング」に特化してお話しします。ご新規の患者さんに対して「当院の思い」を知っていただくのは極めて重要。なのに、ああ……。けっこうやらかしちゃうんですよね。75熱い思いは、どう伝えれば……? 次のページへ!!※本連載で示すスライドはすべて掲載許可をいただいています。“もっと伝わる”初心を忘れる初診向け。……いい人ほどね。「べからず」TOP7 ~初診カウンセリング編~

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