1 歯周ポケットが5mm以上ある2 歯周病が気になっている3 口臭を気にしている4 家族に歯周病の方がいる5 インプラントを希望している8を抜歯●臨床経験年数:24年目●1994年専門学校名古屋デンタル衛生士学院卒業●50歳●勤務形態:常勤●所属学会・スタディグループ:日本歯周病学会認定歯科衛生士、日本歯科審美学会歯科衛生認定士●医院紹介:当院は総合歯科医院であり、他院では治療不可能であるとされたインプラント治療や根管治療、歯周治療を希望する患者さんが多く来院される。[キーワード]歯周病原細菌検査、歯周基本治療、水平感染 当院には、他院で「抜歯をするしかない」「手の施しようがない」などと言われ、それでも諦めきれず歯周病に関する相談で来院される患者さんが多くEri Otsukaナディアパークデンタルクリニック[愛知県]歯科衛生士いらっしゃいます。重症化した歯周病の患者さんは、「なぜ、歯周病が進行してしまったのか?」「今後どのようにしたらいいのか?」と疑問を抱いています。私たちは、そんな患者さんの疑問に応えるべく、科学的根拠に基づいた検査・診断・治療を行っています。歯周病は感染症であるため、歯周病の進行にかかわる細菌因子に目を向け、科学的根拠に基づいた検査として歯周病原細菌検査を行い、患者さんも納得ができるような診断、治療計画を立案したうえで治療に臨んでいただきます。 今回は、成人気管支喘息を患った患者さんに科学的根拠に基づいた歯周治療を行った結果、歯周組織の改善だけでなく喘息の改善も得られた一症例と、その患者さんの家族との歯周病原細菌のかかわりについて報告します。 歯周病に関与している主な歯周病原細菌は、A.a.菌、P.g.菌、T.d.菌、T.f.菌、P.i.菌、F.n.菌などがあり、歯周病やインプラント周囲炎の進行以外にも心血管疾患、糖尿病、呼吸器疾81November 2024 vol.48今回症例を紹介してくれるのは……表1 歯周病原細菌検査をすすめる 院内基準ナディアパークデンタルセンター 42歳(2015年初診時)、男性人間ドックで歯周病だと言われた。歯ぐきからの出血が気になる2~3年前から歯肉に腫脹があり、ブラッシング時に出血する10年程前に8成人気管支喘息、急性肝炎(現在は完治)吸入ステロイド剤(フルタイド)20年前まで喫煙していたが、現在は非喫煙者症例をシェアして、ステップアップ!初診時の患者の基本情報年齢、性別主訴現病歴歯科的既往歴全身的既往歴服薬喫煙歴はじめに当院での歯周病原細菌検査大塚英里さん誌上歯周病原細菌検査を有効活用して患者の口腔内と向き合い歯周基本治療を行った症例
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