[前編]基本の整理がう蝕の抑制にもっとも効果的ですが、甘味がまったくしない食生活を送る、というのは現代の生活においてほぼ不可能です。そこで、スクロースの甘味を、う蝕のリスクになりにくい別の甘味料で置き換える、という代用甘味料の利用が考えられてきました(図1)。 スクロースにかわる代用甘味料を用いて砂糖摂取量をコントロールしたいが、う蝕になりにくい代用甘味料にはどのようなものがあるのか? どんな食品や口腔衛生関連商品に、どのような甘味料が入っているのか? など、歯科医療従事者はもちろん、患者さんの関心も高いのですが、現時点でどのように捉えて、どのように活かせばよいのか、正しく理解(文献1より引用改変)32図1 代用甘味料によるう蝕予防の発想粘着性グルカン形成の材料になる①粘着性グルカン形成の材料にならない③粘着性グルカンを産生する酵素であるグルコシルトランスフェラーゼの代用甘味料に置き換えたう蝕予防はたらきを阻害するう蝕でのスクロースの役割細菌の酸産生の材料になる②細菌の酸産生の材料にならないはじめに スクロース(ショ糖、砂糖)は①ミュータンスレンサ球菌による「粘着性グルカンの形成」と、②さまざまな口腔細菌による「酸産生」という、う蝕の発生にかかわる2つの作用の原材料(基質)となります。 スクロースの摂取量、摂取頻度の両方がう蝕のリスクに関与するため2、スクロースを摂取しないこと特集1+う蝕予防とのバランスを考える代用甘味料の
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