歯科衛生士 2024年12月号
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●臨床経験年数:29年目●1997年広島歯科衛生士専門学校(現:広島高等歯科衛生士専門学校)卒業●49歳●勤務形態:非常勤●所属学会・スタディグループ:日本歯周病学会(認定歯科衛生士)、日本臨床歯周病学会、㈱NDL mint-seminar(インストラクター)●医院紹介:“For All Long Happiness”を理念とし、歯周治療を中心に補綴治療、インプラント治療、矯正治療など多岐にわたる治療を行い、良い状態が長期にわたり維持できるよう徹底したメインテナンスを提供している。53歳(2017年初診時)、女性右上の歯ぐきが腫れた補綴治療、根管治療。左下臼歯部は歯周病のため前医で抜歯特になし非喫煙者なし飲食業 歯周基本治療において良好な結果を得るためには、SRPを行う技術だけではなく、患者さんの生活背景を知ることが重要となります。さまざまな患Yasuko Ohtsubo石田歯科矯正歯科クリニック[広島県]歯科衛生士者さんが来院されるなかで、担当歯科衛生士として口腔内を見るだけではなく、患者さんを知ることが歯周治療成功への鍵になると思います。 また、重度歯周炎においては、歯周外科治療を行うケースも多くありますが、外科的な侵襲を少なくするため、可能であれば非外科で対応したいと筆者は考えています。そのためには、SRPで根面の形態を把握し、キュレットの選択を行い、的確なキュレット操作を行うことが必要になります。加えて、歯石だけでなく不良肉芽も除去することに気をつけて施術しています。 今回は、患者さんの生活背景に寄り添いながら歯周基本治療を行い、非外科で対応できた症例を報告したいと思います。 患者さんは初診時(2017年)53歳、飲食店のおかみさんをされている女性です。「右上の歯ぐきが腫れた」という主訴で来院されました。当院に勤務している歯科衛生士のお母様で、「母が他院で抜歯の必要があると診断されたが、本当に抜歯をしなければいけないのか診てほしい」という娘からの希望で転院してこられました。 初診時の記録を次ページ図1~3に示します。口腔内所見からは、歯肉に発赤、腫脹がみられ、主訴部位でもある右上は腫脹がとくに強く認められました。上顎前歯には正中離開が見られます。また、デンタルエックス線写真(次ページ図2)とプロービング91December 2024 vol.48今回症例を紹介してくれるのは……[キーワード]生活背景を知る、ブラッシング習慣、非外科処置大坪保子さん症例をシェアして、ステップアップ!初診時の患者の基本情報年齢、性別主訴歯科的既往歴全身的既往歴禁煙歴服薬職業はじめに本当に抜歯が必要なのか見てほしいという娘の希望で来院誌上歯肉縁下への非外科的アプローチで抜歯を回避し、ブラッシング習慣も改善した症例

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