歯科衛生士 2025年1月号
3/9

January 2025 vol.49きくなることが予想されれば、術後疼痛や腫脹が大きいため、患者さんに苦労をかけるよりも抜かずに様子をみたいという気持ちになることもあると思います。このような判断は歯科医師の技術や経験、考え方で決まることですので、「抜歯をすべき」とか、「保存を選択すべき」ということを歯科衛生士が安易に言うべきではありません。しかし、歯科衛生士は患者さんの口腔内を管理するという重要な役割がありますので、智歯を残すときと残さないときに起こることを理解し、患者さんに伝えられるようにしておくことはとても重要だと思います。61Contents62Part1 智歯を残したときのメリットとデメリット特集267COLUMN データで見る 埋伏智歯に歯石が付着する割合68Part2 智歯を残したとき、残さないときの歯科衛生士の役割山城崇裕Takahiro YAMASHIROやましろ歯科口腔外科[福岡県]院長・歯科医師日本口腔外科学会認定専門医日本口腔科学会認定医 智歯はいつ抜歯するのがよいのでしょうか。また、抜歯せずに残す場合はどう考えるのでしょうか。 まず、歯科医師はどのような時に抜歯を決断し、患者さんに説明するのでしょうか。当然、患者さんに痛みなどの症状がある場合や、エックス線写真で問題のある所見がみられる場合に抜歯を勧めると思います。一方、症状がみられない場合には、抜歯の難易度によって患者さんへの説明内容や抜歯するかどうかの治療方針が決まります。 つまり、難易度が低ければ短時間で治療ができ、疼痛や腫脹が軽度なので積極的に抜歯を勧めると思います。しかし、侵襲が大はじめに 智歯を残したとき、残さないときに歯科衛生士ができること

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る