1Partてもゆるいです。そのため、この時期から20代前半頃までは、歯冠の摘出が上手にできれば歯根の摘出は比較的簡単です。 しかし、20代後半になると全顎の歯根が完成し、成人歯列でしっかりと噛む時期に入ります。歯根と骨の結合がゆるいと噛めないため、このころから歯根はしっかり骨と結合し、抜歯にも力が必要になります。 30代を過ぎると、歯根が肥大した症例を多く認めます。歯根が肥大して骨と癒着すると、骨削合量が増えて侵襲が 智歯を残したとき、残さないときについて考える前に、まず智歯がどのようにつくられるのか、ライフステージ別にご説明します(図1)。智歯は、8歳から10歳ぐらいで石灰化していない歯胚がみられ、歯冠の形成を開始します。中学生~高校生になると、歯冠形成途中の歯や、歯根形成途中の歯がみられるようになります。歯根を形成している時期は、がんばって萌出しようとしている時期でもあります。萌出しようとしている歯の歯根は骨との結合が硬いと出てくることができないため、歯根と骨との結合はまだと62歯冠を形成する時期。石灰化物を含まないエックス線透過像がみられることも多い。歯冠、もしくは歯根を形成する時期。歯根が完成する時期。それまでは抜歯が簡単だが、完成すると抜歯が難しくなる。小学生中学生・高校生20代図1 ライフステージ別の智歯ライフステージと智歯の関係智歯を残したときのメリットとデメリット
元のページ ../index.html#4