3のフリーシュガーの摂取量を総エネルギー摂取の5%まで2成人および小児の両方において、WHOはフリーシュガーの摂取量を総エネルギー摂取の10%未満に減らすことを推奨する(強い推奨)フリーシュガーシステマティックレビュー糖類はどの程度摂取してよいのか、う蝕を抑制する甘味料はあるのかについての現状をまとめました。表1 2015年に更新されたWHO糖類摂取ガイドラインにおける3つの推奨事項78に減らすということは、成人の1日の総エネルギー摂取量が2,000カロリーだとすると、スクロースの摂取量を1日あたり25g(スティックシュガーで約8本)以内に抑えるということである。日本人の1日当たりのスクロースの平均摂取量は約50g程度なので、約半分にカットすることが必要になる。(文献4より引用改変) そもそも糖類はどの程度までの摂取が健康を害さないのでしょうか? 糖質が健康に及ぼす影響が議論されるなかで、WHO/国際連合食糧農業機関(FAO)合同専門委員会は、2003年に「遊離糖(フリーシュガー)摂取を総摂取エネルギーの10%未満にすることを推奨する」というガイドラインを発表しました1。 WHOは、その後さらに過去に報告された「遊離糖摂取」が「肥満」と「う蝕」に及ぼす影響に関するさまざまなエビデンスについて系統的な文献調査(システマティックレビュー)を行い2, 3、2015年に上記のガイドラインを更新しました(表1)4。2024年にWHOとFAOが共同で発出した共同声明においても、フリーシュガーの摂取量を総エネルギー摂取の10%未満に減らすことが推奨されています5。1WHOは全生涯を通して、フリーシュガーの摂取を減らすことを推奨する(強い推奨)3WHOは、さらに、フリーシュガーの摂取量を総エネルギー摂取の5%まで減らすことを提案する(条件付き推奨) フリーシュガーとは、食品加工業者、調理者、消費者が食品や飲料に添加する単糖類と二糖類であって糖アルコールでないもの、およびはちみつ、シロップ、果汁などに含まれる天然の糖類を指し、スクロースや異性化糖のみをさす言葉ではありません。 システマティックレビューとは、ある事実を証明するために、テーマの似た研究を可能な限り収集し、それらを比較・検証して結論を導くという手法です。こうして得られた結論は、1つの研究だけから得られた結論よりも、エビデンス(科学的根拠)の信頼性が高いとされています。WHO糖類摂取ガイドラインまだまだ議論が続いています。糖類摂取に関するエビデンス2
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