歯科衛生士 2025年4月号
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長山和枝Kazue NAGAYAMA㈱COCO DentMedical専属インストラクター宇田川歯科医院[東京都]まさき歯科医院[千葉県]歯科衛生士 ここ数年の学生たちは、感染症拡大の影響でこれまでとはまったく違う学び方を余儀なくされていました。歯科衛生士学校でも、臨床実習に行けなかったり、行けても見ているだけだったり、講義もオンラインだったりということが多かったようです。これにより、本来であれば身につけられたはずのコミュニケーション力や表現力が十分に鍛えられないまま歯科衛生士となり、医療者として、社会人として入社してきているのが現状です。 そんなスタッフに対し、医療者としての誇りを感じてもらい、所属する組織に定着させるためにお勧めなのが症例検討会です。なぜなら、歯科衛生士の仕事である歯周治療に取り組むためには、歯科衛生士の個人的な知識・技術の向上だけでなく、歯科医師と歯周治療の方向性を共有したり、受付と情報を共有したりするグループでの作業が必要不可欠だからです。グループ作業に必要なコミュニケーション力を養うには、おのおのが知識を蓄積したり、練習や訓練を積み重ねたりするだけでなく、歯科医院全体の総合力を高めるグループワークとして症例検討会を活用することが有効です。 また、歯科医院の一員として歯周治療に携わるには、勤務する歯科医院の方向性を理解したうえでの「症例を読み解く力」が必要になってきます。さらに、歯科衛生士は歯周治療や健康教育の場において自分を表現することが非常に大切です。 そこで本特集では、「症例を読み解く力」を養いながら、歯周治療についての流れを体感できる、個人指導ではない症例検討会を通して得られる効果についてお伝えしていきます。31今回は、メインテナンス中の歯肉の変化について相談したいです。April 2025 vol.49はじめに検討会

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