さて、学校歯科保健指導を行う「学校」とは、どんなところなのでしょう? 以前は、歯科保健指導において健康診断を中心とした「保健管理」がメインだったのですが、次第に「保健教育」にシフトして、外部講師の活用の奨励も相まって、学校での歯科衛生士の活躍の場が広がってきました。詳しく見ていきましょう。 学校は「教育の場」であり、学校での指導は「教育の一環」であること。教育の場である学校での歯科保健活動は「保健教育」「保健管理」、そして、この2つを側面から支える「組織活動」から成り立っています。 2009年に制定された「学校保健安全法(旧:学校保健法)」は、保健管理について定めた法律で、学校歯科医の役割や学校歯科健康診断などについて規定されています。この背景として、まず1995年に学校保健法の一部改正があり、健康についての考え方が大きく変わりました。それまでは子どもを病気の側から見て病気のある者だけを見つけ出すのが健康診断の役割でしたが、子どもを健康の側から見て、病気になりそうな子どもを指導することによって病気にならないように健康のほうに引き戻そうとなったのです。 そして、2009年に安全を含めて学校保健安全法になり、大雑把に言えば、個人の具体的な状況を修正するために行うのが指導(個別指導)、集団に対して一般的な保健を教えるのが教育(集団指導)と分類され、管理はその課題を教育に活かすものとして教育の比重が高まったのです。90まずは、指導先である「学校」という組織についての理解を深めましょう。学校歯科保健指導も、教育の1つ!教育の場である今の子どもは、どんな感じ?そもそも、どんなところ?“学校”を知ろう!
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