7月号特集1CONTENTSP.26STEP1 歯間ブラシについておさらい南野莉穂、金子 創P.28STEP2 何がどう作用する? 歯間ブラシの種類市川美由紀、金子 至STEP3 こうすれば伝わる 歯間ブラシの使い方山口春奈、神庭光司[Case Report]橋爪由美子、宮下 徹Illustration:浅水シマ24P024-034_DH07_toku1.indd 24APPE_P024-034_DH07_toku1.p1.pdf歯周治療はプラークコントロールが基本金子 至 金子歯科医院・歯科医師 歯周治療において、プラークコントロールはもっと歯周治療の効果を上げることはできません。歯肉縁上も重要です。プラークコントロールは歯肉縁上と歯肉と歯肉縁下のプラークコントロールはそれぞれ影響し縁下に分けられ、歯肉縁上のプラークコントロール、合い、どちらも十分なコントロールができて、初めてつまり“ブラッシング”は患者さんの役割であり、歯歯周治療は効果を上げます。とくに隣接面のプラーク肉縁下のプラークコントロールはわれわれ歯科医療者コントロールは難しいため、歯周病の進行しやすい要(歯科医師・歯科衛生士)の役割です。良好なブラッ注意部位と言えます。シングとハイレベルなSRPは、どちらも歯周治療に それでは、どのような清掃用具を使用したらよいのおいてもっとも基本的で重要な治療といえます。でしょうか。今回の特集では歯間ブラシに焦点を当て、 歯肉縁上のプラークコントロールが不十分だと、具体的に説明したいと思います。SRPを行ってもプラークや歯石が再付着してしまい、次号掲載予定宮下 遼Ryo MIYASHITA宮下歯科医院[長野県]宮下 徹Toru MIYASHITA宮下歯科医院[長野県]副院長・歯科医師院長・歯科医師神庭光司Koji KAMBA神庭歯科医院[島根県]院長・歯科医師山口春奈Haruna YAMAGUCHI神庭歯科医院[島根県]歯科衛生士橋爪由美子Yumiko HASHIZUME宮下歯科医院市川美由紀Miyuki ICHIKAWA宮下歯科医院金子 理Osamu KANEKO金子歯科医院[長野県]歯科医師金子 智Tomo KANEKO金子歯科医院金子 至Itaru KANEKO金子歯科医院[長野県]院長・歯科医師南野莉穂Riho MINAMINO金子歯科医院[長野県]歯科衛生士[長野県]歯科衛生士[長野県]歯科医師[長野県]歯科衛生士金子 創Hajime KANEKO金子歯科医院[長野県]副院長・歯科医師July 2024 vol.48252024/06/11 9:43P024-034_DH07_toku1.indd 25APPE_P024-034_DH07_toku1.p2.pdf2024/06/11 9:43デンタルフロスにくらべ、歯科衛生士みずから使う機会が少ない歯間ブラシ。前編(7月号)では、デンタルフロスとの違いや使い分け、ハンドルや毛先の種類など製品の基本情報を整理いただき、後編(8月号)ではサイズの選択や指導について解説いただきました。図1 歯間ブラシの選び方図2 インターデンタルアクセスプローブ(ヨシダ)TOPICabAQ読者が本当に聞きたい 染め出し後(a)、選んだ歯間ブラシを歯間部に通して、汚れが落ちているかどうか確認する(b)。下部鼓形空隙にプローブを挿入し、止まる位置の色により適切なサイズがわかる。Q1まずは空隙の狭い部位に合わせて、指に少し抵抗を感じる程度の歯間ブラシを選択し、歯肉の変化に合わせて見直します。A1歯間ブラシガイド[知識編]歯間ブラシには4SからLLサイズまであり、サイズ合わせに自信がありません。患者さんに合わせたサイズの選び方について、通したときにどのような感覚があれば適切なのかなど具体的に教えていただきたいです。南野莉穂金子歯科医院[長野県]金子 理金子歯科医院[長野県]歯科衛生士歯科医師読者の皆さんからいただいた質問に、各特集・TOPICの著者の先生方に答えていただく毎年恒例の人気企画。今回は、2024年下半期(7~9月号)の記事への回答をお届けします。(編集部) 下部鼓形空隙の広さに適した歯間ブラシを選択することは、目視しただけでは難しいので、染め出し後、歯間隣接面に付着したプラークを確認したうえで選択していきます。まず、下部鼓形空隙の広さから予測して歯間ブラシを選択し、実際に歯間部に通して頬舌側に動かした時、指に少し抵抗を感じる程度が歯間部のプラークを効果的に落とすのに最適なサイズです(図1)。 経験を重ねると誤差が少なくなり、適正な歯間ブラシを1回で選択できるようになりますが、歯間ブラシのサイズを誰でも簡単に測定することができる専用プローブがあります(図2)。新人の歯科衛生士でも迷わず処方することができ、歯間ブラシのサイズを合わせる感覚を養うのにおすすめです。 下部鼓形空隙の広さは一様ではないため、部位ごとに歯間ブラシを処方すると種類が多くなりすぎます。口腔衛生用品の種類が増えるほどブラッシングは複雑になり、とくに高齢者では88これで選べる&伝わる歯間ブラシガイド[知識編・指導編]定着が難しくなるので、まずは空隙の狭い部位に合わせて歯間ブラシを選択し、使い方の工夫で空隙が広い部位のプラークも除去可能であれば、可能な限り種類を増やさずブラッシングを単純化することが重要です。 また、歯間ブラシのサイズは一度決めればずっと同じでいいわけではなく、歯肉の変化にともなって見直しが必要です。メインテナンスのたびに染め出し、プラークの残り方を確認しましょう。歯間ブラシのサイズの選び方について知りたいです。読者が本当に聞きたい
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