Sayo Oomotoたかはし歯科[愛媛県]歯科衛生士[キーワード]長期症例、う蝕予防、カリオロジー、ナラティブ、スキルアップ、規格資料2歳(2009年初診時)、女児むし歯ができていないか診てほしい。健診で指摘されたことはない父、母(ダイビングショップ経営)、祖父母と5人の三世代家族。全員、当院のメインテナンス患者でもある症例をシェアして、ステップアップ!初診時の患者の基本情報大本紗代さんはじめに●臨床経験年数:17年目●2009年愛媛県立歯科衛生士専門学校卒業●36歳●勤務形態:常勤●所属学会・スタディグループ:日本ヘルスケア歯科学会(認定歯科衛生士),日本口腔インプラント学会(専門歯科衛生士)●医院紹介:愛媛県南宇和郡愛南町にて、予防、メインテナンスから、インプラント、訪問診療まで対応する歯科医院。101筆者の成長もふまえて、定期メインテナンスを通して得たものを、多くの歯科衛生士の皆さんと共有できると嬉しいです。 患者さんは初診時2歳の女児です。「むし歯ができていないか診てほしい」という主訴で、母親に連れられて来院しました。両親は夫婦でダイビングショップを経営していて、祖父母が面倒を見ていることが多い様子でした。母親も「祖母からお菓子をよくもらって食べている」と話していました。 初診時、視診でう窩は認められませんでした(次ページ図1)。本症例ではたまたま2歳時に撮影ができていますが、当院において2歳で口腔内写真が撮れる子どもは少ないです。3歳時になると、多くの子どもで撮影ができるようになっているように思います。 咬翼法エックス線写真も撮影しました(次ページ図2)。まだ2歳だったので、無理に撮り直しはしていません。当院では、口腔内写真同様、3歳くらいになると練習して多くの子どもで咬翼法エックス線写真が撮影できていることが多いです。継続的に実践してきました。しかし、メインテナンス期間においても、「歯が痛い」という訴えが続いたこともありました。また、中高生になるとメインテナンス通院が途絶えがちになるという話も耳にしますが、それも乗り越えて高校卒業まで継続することができました。当時の家庭環境、本人の成長、初診時にはう窩はみられなかった年齢、性別主訴歯科的既往歴特記事項なし全身的既往歴特記事項なし家族構成 本症例は、筆者の新人時代から現在まで16年間にわたってかかわり続けている、小児う蝕予防症例です。定期メインテナンスを通して、う蝕予防を今回症例を紹介してくれるのは……June 2025 vol.49誌上2歳から18歳の現在まで、う蝕予防に取り組んできた16年経過症例
元のページ ../index.html#8