歯科衛生士 2025年7月号
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23 P.24 IntroductionP.26 Part1P.28 Part2P.30 Part3私たちが歯周治療で目指すゴールとは非外科・外科のメリット・デメリット治療計画では、時間軸・難易度を意識する歯周治療の難易度を評価する山﨑瑞穂Mizuho Yamasaki株式会社DH Pro.School歯科衛生士岩田光弘 Mitsu hiro Iwataさくらデンタルクリニック[岡山県]理事長・歯科医師成田大輔 Da isuke Nar i taなりた歯科・矯正歯科[兵庫県]院長・歯科医師C o n t e n t sJuly 2 0 25 v ol.4 9[監修][知識編][症例編] 次号掲載予定 ここで注目すべきは、歯科衛生士の取り組み方です。特に真摯で熱意のある歯科衛生士ほど、SRP の技術向上に情熱を注ぎ、「SRP で改善させる」という目標に固執してしまう傾向が見られます。筆者自身も技術習得に没頭していた時期があり、SRP のみに過度な期待を寄せていたことを振り返り反省しています。 患者さんの負担を軽減し、非外科治療で可能な限り改善を図りたいという想いは良いことですが、それが患者本位の治療につながっているかをつねに問い直すことが重要です。歯周組織再生療法の適応症にもかかわらず、もしも「SRPで治す」という固執により救える歯を失えば、結果として患者さんの不利益となります。患者さんの主訴や希望に真摯に耳を傾け、歯科医師との適切なカンファレンスを通じて最適な治療法を提案する。このプロセスを経て患者さんが納得し、治療方針に同意することが、最良の結果を得るための鍵となります。歯科医師と歯科衛生士が互いに協力し、それぞれの専門性を最大限に発揮することで、良好な治療経過を実現することができます。 本特集では、歯周病症例における非外科治療と歯周外科治療の選択について、筆者の臨床経験をふまえた見解を示します。本稿で紹介する歯周治療の難易度を評価するツールは、日々の臨床において有用な指針となるものです。これらをぜひ活用していただき、臨床現場で患者さんに最適な治療を提供する一助となれば幸いです。SRPに固執しすぎず、患者さんにとって最良の治療を選択する知 識 編外科?

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