Mis ato Nakamuraさくらデンタルクリニック[岡山県]歯科衛生士95はじめに年齢、性別主訴歯科的既往歴 20代からう蝕治療のため近隣の歯科医院に通院され、約10年前にう蝕により 8 は抜歯された。1年前まで 3ヵ月ごとの定期健診に全身的既往歴 高脂血症、花粉症喫煙歴服薬状況職業習癖今回症例を紹介してくれるのは……July 2 0 25 v ol.4 9症 例 を シェアし て 、ス テップ アップ !初診時の患者の基本情報中村みさとさん● 臨床経験年数:14年目● 2012年岡山高等歯科衛生専門学院卒業● 34歳● 勤務形態:常勤● 所属学会・スタディグループ:日本歯周病学会(認定歯科衛生士)、日本臨床歯周病学会、苺の会● 医院紹介:日本歯周病学会専門医・指導医の院長のもと、多くの歯の保存を目指し、歯周治療・インプラント治療・矯正治療などの包括的な歯科治療を行っています。 歯周病は非プラーク性歯肉疾患を除き、歯周病原細菌によって引き起こされる感染性炎症性疾患で、歯周組織に起こる疾患です 1。そのため、適切な歯周治療による介入と長期的な管理が不可欠となります。しかし、歯科医院に通院していても、患者さんのセルフケアが不十分であったり、適切な歯肉縁下治療が未実施であったりすることなどが原因となり、歯周病が少しずつ進行してしまうケースもあります。 今回、他院で歯肉縁上の治療のみが行われて、改善が見られなかったことを訴え来院された患者さんに対し、適切な検査・診断のもと、歯周基本治療および歯周外科治療、その後の継続したSPTによって、臨床的に改善が得られたケースについて報告いたします。さらに、患者さんの信頼関係の構築とモチベーションの向上を重視した介入が治療効果に及ぼす影響について考察しました。 本報告が、長期的に通院されているにもかかわらず、治療効果が得られにくい患者さんに対するアプローチの参考になれば幸いです。[キーワード]歯周炎、歯周治療、SPT55歳(2020年初診時)、女性左上の歯が痛みはないが動く通院していたなしプラバスタチン Na 錠(高脂血症薬)、レボセチリジン塩酸塩錠(花粉症)専業主婦日中のクレンチング誌 上他院でのSPTで改善が見られなかった歯周炎患者に対して、再介入を行った症例
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