歯科衛生士 2025年8月号
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説明のPOINTIllustration:高村あゆみAugust 20 2 5 vo l.4 9鈴木宏樹Hiroki Suzuki別府歯科医院[福岡県]歯科医師松村香織K aor i Matsumura公立八女総合病院歯科口腔外科部長・歯科医師[第7回] 2018年より保険に収載され、昨今注目を集めている口腔機能低下症。テレビや雑誌などでも紹介され、口腔機能の重要性に関して興味をもつ患者さんが多くなっているにもかかわらず、口腔機能に関する診察やリハビリテーション指導に対応できていない歯科医院が多いのが現状です。 口腔機能の低下がフレイルや寿命にも関連があることがわかってきており、私たちには口腔衛生管理に加えて、口腔機能の管理が今求められているのです。口の専門家である私たちが、口腔機能の役割をしっかり理解し、口腔機能が低下しないようにサポートできるようになりましょう。口腔機能の低下を放っておくと口や全身の問題につながることもある口腔機能低下症は、歯科医院での検査により早期発見できる 私たちはこれまで、う蝕や歯周病を予防し、歯を失わないようにすることを1つの目標としてがんばってきました。歯を多く残すことが口腔機能を維持することとなり、それが健口につながると考えられていたからです。80歳で20本の歯が残っていれば多くの種類の食物を食べることが可能であるということから8020運動が推進され、今ではその達成率は50 %を超える状態となりました。歯が多く残ること自体は大変すばらしいことで、今後もその重要性は変わりませんが、超高齢社会の現在では、歯を多く残すことだけでは健口が達成されない場合も多くあることがわかってきました。食べる・しゃべるためには、「口腔機能」が大きくかかわる口腔機能の低下は歯科医院でチェック・管理ができるささいなお口のトラブルが口腔機能低下症につながる歯を失わないことと健口は、イコールではない?!P.50P.51P.52P.53P.54患者説明用シート49口腔機能低下症

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