歯科衛生士 2025年9月号
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今回紹介するEFPガイドラインはこれ!特集1信頼性が非常に高いEFPガイドライン方法論の特徴表1 体系的手法(systematic method )に基づくガイドラインのS分類S3S2eS2kS1関野 愉S atoshi SEKINO日本歯科大学生命歯学部歯周病学講座准教授・歯科医師 近年、ヨーロッパ歯周病連盟(以下EFP)は、ステージⅠ~Ⅲの歯周炎に対するS 3レベルの臨床ガイドライン(以下EFPガイドライン)1を発表しました。臨床ガイドラインとは医療従事者が患者さんに最適な治療を行うための「道しるべ」のようなもので、最新の科学的根拠に基づいて作られており、「この病気にはどの治療がよいか」「どのタイミングで何をすべきか」といった判断の助けになる文書です。治療の質を向上したり、無駄な治療を減らしたりするために、とても大切なものです。また、S 3レベルとは科学的根拠と専門家の合意に基づくもっとも信頼性の高いガイドラインであり、すべての介入法に関してシステマティックレビュー* 1を作成したうえで推奨が定められています(表1)。それにより、治療の質を高め、患者さんの歯の喪失を減らし、全身の健康や生活の質を向上させることを目指しています。 本ガイドラインは、すべての歯科医療従事者にとって、臨床判断の指針となる重要な文書なので、ぜひ理解を深め実践していただきたいと思います。まずは、今回の特集でガイドラインについて解説し、具体的な内容については次号以降の連載で順にご紹介していきます。分類ガイドラインの種類(文献2より引用改変)エビデンスとコンセンサスに基づくガイドラインエビデンスに基づくガイドラインコンセンサスに基づくガイドライン専門家グループによる推奨この分類はドイツ科学医学学会連合( AWMF)が定めたもので、S3がもっともレベルが高い。代表的な委員会による作成、文献の体系的検索、選定、評価、構造化された合意形成文献の体系的検索、選定、評価代表的な委員会による構造化された合意形成非公式な手続きを通じた合意形成26ガイドラインでチェック!今どき歯周治療、

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