歯科衛生士 2025年9月号
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Reiko Aimi石田歯科矯正歯科クリニック[広島県]歯科衛生士91[キーワード]インプラント周囲炎、非外科、長期症例62歳(2007年初診時)、女性左下にインプラントをするかどうか相談したい左下ブリッジは脱離したまま放置されていた。歯科医院は 4年ぶりの受診関節リウマチ けられており、この疾患が世界中の臨床家や研究者にとって関心の高いテーマであることをあらためて実感しました。 実際、筆者自身の臨床においてもインプラント周囲炎に悩むケースは少なからずあります。そうした臨床での疑問に向きあうなかで、日本歯周病学会や日本口腔インプラント学会に所属し研鑽を積むことで、徐々に自信をもって対応できるようになりました。 今回、前任の歯科衛生士から引き継いだインプラント周囲炎の患者さんの経年的変化に対し、学術的な視点をふまえた非外科での対応を紹介したいと思います。 初診は2007年(次ページ図 1)。患者さんは当時62歳で、「退職後、時間に余裕ができたので、インプラントをしたい」と希望されました。歯科医師の治療計画に基づき、再評価後(次ページ図 2、P. 93図 3)、 5 6 7 部にインプラント治療が実施されました(P. 93図 4)。メインテナンス移行直前に腰椎ヘルニアを発症し、継続的な通院に対して消極的となったため、メな挑戦として、世界基準の歯周治療を学びたいという好奇心から、昨年アメリカ・サンディエゴで開催されたAAP(アメリカ歯周病学会)へ参加してきました。学会では、インプラント周囲炎に関するセッションが数多く設September 2 02 5 vo l.4 9● 臨床経験年数:23年目● 2003年広島大学歯学部附属歯科衛生士学校卒業、2016年広島大学大学院医歯薬保健学研究科口腔健康科学専攻博士課程前期修了、修士(口腔健康科学)● 42歳● 勤務形態:非常勤● 所属学会・スタディグループ:日本歯周病学会(認定歯科衛生士)、日本臨床歯周病学会(認定歯科衛生士)、日本口腔インプラント学会(インプラント専門歯科衛生士)、日本歯科保存学会、日本禁煙学会(禁煙指導者)● 医院紹介:開業して29年。“For All Long Happiness”を理念に掲げ、歯周治療・インプラント治療・矯正治療・補綴治療など多岐にわたる診療を行い、長期にわたって良好な口腔内環境の維持に努めている。インプラント周囲粘膜炎からインプラント周囲炎へ進行年齢、性別主訴歯科的既往歴全身的既往歴 歯周治療の奥深さに魅了され、気づけば20年以上が経過しました。新た今回症例を紹介してくれるのは……症 例 を シェアし て 、ス テップ アップ !初診時の患者の基本情報相見礼子さんはじめに誌 上学術的視点を活かして非外科でインプラント周囲炎に対応した長期症例

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