説明のPOINTアライナー矯正でのトラブルを回避するために、必要な情報を不足なく説明しましょう。P.48P.50P.52P.53P.54患者説明用シート*アライナー矯正治療適応の可否の判断については、最終的には矯正治療の専門知識をもった歯科医師の判断によります。47Illustration: コージー・トマト 関上絵美・晴香 高村あゆみ 飛田 敏October 2 0 25 v ol. 49加治彰彦Akihiko KAJI半蔵門ファミリア矯正歯科[東京都]院長・歯科医師[第9回]げられます。 しかし、アライナー矯正は術者側が慎重に適応症例(患者さんのキャラクター含め)を選択すれば、従来のワイヤー矯正に比べて審美性に優れる、比較的衛生的である、金属アレルギーの患者さんにも対応できるなどの特長を生かすことのできる有効な矯正治療手段の1つと言えます*。本稿ではとくに先に述べたトラブルの原因の1つとして挙げた患者さんへの説明不足が生じないように、アライナー矯正に関する説明力向上の一助となることをねらっています。定期的なチェックや、合わなくなった場合の手立てが必要アライナー矯正でも十分なブラッシングは必須 近年、マウスピース型矯正(以下、アライナー矯正)は患者さんにとっての審美性の良さ、術者にとっての術式の簡便さなどから急速に普及しました。一方でアライナー矯正にまつわるトラブルも多く発生しています。トラブルの内容としては、望ましい(計画どおりの)治療結果が出ていない、治療期間の長期化などが挙げられます。また、一部の商業主義的な歯科医院の金銭トラブルによる突然の閉院により、患者さんの治療継続ができなくなり、社会問題化したことも残念ながら記憶に新しいです。トラブルの原因としては、術者側の知識・技量不足、患者さんへの説明不足、商業主義(業者も含めて)、患者さんのコンプライアンスの問題(アライナーの装着時間を指示どおりに守らなかった)などが挙アライナー矯正はステップごとに徐々に歯を動かしていく見た目がよく衛生的だが、不得意な歯の動かし方もあるすべての患者さんに使えるわけではないアライナー矯正
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