Mitsur u Hosokawaファミール歯科[岡山県]歯科衛生士October 2 0 25 v ol. 49はじめに歯周病の知識がなく自覚もなかった患者さん年齢、性別主訴現病歴歯科的既往歴全身的既往歴喫煙歴職業現症今回症例を紹介してくれるのは……7 8 は炎症が顕著である● 臨床経験年数:28年目● 1987年鶴見大学女子短期大学部保健科卒業● 58歳● 勤務形態:常勤● 所属学会・スタディグループ:日本歯周病学会(認定歯科衛生士)、日本臨床歯周病学会(認定歯科衛生士)、日本口腔インプラント学会(インプラント専門歯科衛生士)、日本医療機器学会(第2種滅菌技士)、スタディグループ PASSION、岡山大学口腔インプラント講習会● 医院紹介:歯周病指導医の院長のもと、疾患の予防を中心とした歯科医療による口腔の健康を通じて、人々の健康の保持・増進、生活の質の向上に寄与することを目指す医院。症 例 を シェアし て 、ス テップ アップ !初診時の患者の基本情報細川美鶴さん93 歯周病は歯周病原性細菌による感染症であると同時に、生活習慣病でもあります。多くの患者さんは、歯周病やう蝕の原因を「歯磨きがうまくできていないから」と考えがちですが、実は生活習慣そのものに原因があると気がついていない場合が多いのです。 歯科衛生士による歯周基本治療やSPTを継続していく過程は、患者さんとの信頼関係を築きながら、問題となる生活習慣を会話の中からすくい上げ、その問題点にどのように対応していくのかを患者さんと一緒に考え、行動変容を促していくうえでとても重要です。今回、不整脈の発症をきっかけに、患者さんの健康に対する意識が大きく変わり、生活習慣を再度見直し、プラークコントロールが向上し、SPTを継続している一症例を紹介します。 患者さんは初診時44歳男性で、タンクローリーの運転手です。 8 の自発痛を主訴に来院しました。加えて、以[キーワード]SPT、歯周基本治療、生活習慣、全身疾患44歳(2017年初診時)、男性左下奥歯の痛みが治まらない前日から 8 の歯肉が腫れて痛みがあり、治まらない。この部位が腫れたのは今回が初めて2~3年前から 7 が腫脹し排膿していたが放置していた特記事項なし1年前に禁煙、18~43歳まで 20本/日タンクローリー運転手全顎的に多量のプラーク、歯石が付着しており、歯肉には炎症を認める。特に 7 6誌 上SPT中に不整脈を発症し、健康観が大きく向上した重度慢性歯周炎の一症例
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