[第11回]高血圧症説明のPOINT説明の POINTP.58歯科□□血圧測定□無自覚□高血圧症□発見□□□P.59患者説明用シート□□□□□□□□□□□□高血圧症□歯科治療□危険P.60高血圧□持続□□□、自覚症状□□□□□臓器□□□□□□受□□P.61歯科治療□日□、血圧□下□□薬□□□□□□□服用□□□□□P.62血圧□下□□薬□□□副作用□出□□、医師□相談□□□□勧□□高血圧症□気□□□、未治療□来院□□□方□内科受診□必要性□説明□□□□□。にすることです。その方法は、がんなど他の死をもたらす疾患に対して比較的単純で、血圧を下げればよいのです。ところが、日本の血圧コントロール状況は高所得国のなかで、なぜか最低水準なのです8。 このため、歯科においても高血圧症に気づかず、未治療で来院される方が少なくありません。この隠れた高血圧症の方は、重要臓器の障害をもつ可能性が高いだけでなく、歯科治療中に血圧が急上昇し、脳、心臓などに重大な傷害を起こしやすい、言ってみれば爆弾を抱えたような方なのです。歯科衛生士は、医療従事者として、この隠れた高血圧症を発見し、内科受診を勧め、患者さんの人生がより健康になるよう貢献し、同時に、歯科治療の安全性も向上させなければなりません。本特集では、歯科臨床で遭遇する頻度の高い高血圧症の患者さんに医学的説明が必要となった場合に、医療従事者として何をお伝えすべきかについて解説します。 高血圧症とは何でしょう? 本来、血圧は必要に応じて上下します。たとえば、運動時には血圧が上がり、睡眠時は下がります。しかし、もし血圧が「つねに」高かったとしたら、それは異常な状態であり、これを高血圧症といいます(一時的な血圧上昇は高血圧症とはいいません)1。 高血圧が持続すると動脈は伸縮性を失い、硬く、狭くなります。これを動脈硬化といいます。動脈硬化により、たとえば心臓に血液を送る動脈(冠状動脈)が詰まると、心臓の筋肉に必要な酸素や栄養が送られなくなり、心臓の筋肉の一部が死んでしまい(壊死)、心筋梗塞となります2。同じような機序で、脳、腎臓など重要臓器も、高血圧症により重大な障害を受けます1,3-5。 もし、高血圧症を治療しないでいると、いつのまにか重要臓器が傷害され、最悪の場合、ヒトは死んでしまいます。ところが、高血圧症はほとんどの場合、自覚症状がありません6,7。 高血圧症の治療目的は、この重要臓器の障害を起こさないようIllustration:高村□□□大渡凡人Tsuneto OWATARI九州歯科大学□□□□科(障害者歯科)特任教授・歯科医師57December 2025 vol.49
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