平岡孝文平岡孝文 HIRAOKA Takafumi, D.D.S.府中けやき通り矯正歯科 〒183-0056 東京都府中市寿町1丁目1-11 第2福井ビル 連絡先 E-Mail: fuchu.keyakidori.kyosei@gmail.comJournal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2024 vol.4 issue 6キーワード インハウスアライナー、外注型アライナー、3Dプリンタ、歯科技工士、安全対策、環境問題の連携の必要性55平岡孝文 インハウス(院内製造)アライナーについて概説する本稿では、インハウスアライナー製造のためのワークフロー、必要な機材や材料、インハウスアライナーの利点と欠点、適応症例やアウトソーシング(以下外注型)アライナーとの使いわけ、インハウスアライナーの現在地と考えうる未来と課題などを解説している。まず前編では、基本的な熱成形タイプのインハウスアライナー製造のワークフローや必要な機材について解説した。 後編となる今回は、実際のインハウスアライナーを用いた症例や治療選択の考えかた、ダイレクトプリントや安全性の担保について以下のトピックを次の順に解説していく。1.インハウスアライナーと外注型アライナーの選択2.症例で見るインハウスアライナーの活用3.インハウスアライナー製造に必要な安全対策4.インハウスアライナー製造における歯科技工士と日本版オリジナルページ論説はじめにインハウスアライナーと外注型アライナーの選択 インハウスアライナーと外注型アライナーのもっとも大きな相違点は、「自院で内製化するのか(インハウスアライナー)」「メーカーに外注するのか(外注型アライナー)」である。前編において解説したインハウスアライナー製造上・使用上の利点・欠点を考慮し、歯科医院がもつキャパシティと考え合わせ、インハウスアライナー製造および治療を自院で開始するのか、外注型アライナー単独で治療を行うのかを選択するべきである(次ページ図1)。 インハウスアライナーは、患者の主訴を軸として歯科医師の検査診断のもと立案した治療計画および治療目標を達成するための有効な治療ツールのひとつであるが、デジタルセットアップを含めたすべてのワークフローについて歯科医師の自己責任のもとで内製化していくため、歯科矯正学の基礎はもちろん、アライナー矯正治療における基本的な知識と経験をもつ歯科医師5.アライナー矯正治療と環境問題6.インハウスアライナーのこれからインハウスアライナー矯正治療の現在地とその未来(後編)インハウスアライナー概論
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