キーワード DIP法、歯肉退縮、根面被覆術、結合組織移植術(CTG)、アライナー、Ortho-PerioJournal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2025 vol.5 issue 1■1 Alignment:凹凸のない歯列の獲得 Marginal Ridge:辺縁隆線の一致■2 Occlusal Contacts:上下的なスペースマネージメント■3 Occlusal Relationship:近心的なスペースマネージ■4 Overjet・Overbite:適切な前歯の関係■5 Root Angulation:歯列全体の歯軸の平行性■6 中心咬合位、中心位の一致■7 Anterior Coupling:前歯部へのアンテリアカップリ■8 犬歯ガイドの獲得■9 ボーンハウジングの逸脱の有無■ 歯槽骨レベルの平坦化■ 審美的なガムライン、歯軸の適合■ 口腔周囲筋や顔貌の調和メントングの付与準となるゴールの設定を不可欠としている。これは単に矯正歯科治療の理想的な目標基準にとどまらず、歯科補綴学的に理想的な咬合の獲得や歯周組織の安定もあわせて目指すものである。これらを網羅したものが綿引の考案した「12 Keys to Ideal Occlusion」である1。歯科矯正学的、歯科補綴学的、歯周病学的に理想的なゴールを獲得するためには、この12項目の基準を満たすべく治療を行うことが望まれる。51田島 圭 TAJIMA Kei, D.D.S.綿引淳一 WATAHIKI Junichi, D.D.S.日本版オリジナルページメソッドプレゼンテーション & 症例報告 包括的矯正治療とは、歯科補綴学的、歯周病学的、歯内療法学的に問題のある不正咬合患者に対し、最適な矯正歯科治療を組み合わせて行う治療である。従来から包括的歯科治療の重要性は認識されていたものの、各分野が独立して発展してきた経緯がある。特に矯正歯科治療は、その高い専門性から他の歯科分野とは距離をおいて発展してきた。しかし2000年初頭から急速に普及したアライナー矯正治療により、矯正専門医以外の歯科医師にも矯正歯科治療の重要性が認識されるようになった。包括的矯正治療は現在の歯科において、さらに重要な位置を占めつつある。 一方で、矯正歯科治療に起因する歯肉退縮などのトラブルも急増しており、矯正歯科治療が他分野に与える影響についての検討が必要である。そこで包括的矯正治療においては、各治療が理想的に行えるよう、基包括的矯正治療とは田島 圭ヴェリ歯科クリニック 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-25-4東京日本橋AQUA歯科・矯正歯科包括CLINIC 〒103-0022 東京都中央区日本橋室町 2-4-1 浮世小路千疋屋(YUITO ANNEX)4F連絡先 田島 圭 E-Mail: veridental@gmail.com田島 圭、綿引淳一包括的矯正治療における 治療目標と治療計画の立てかた(前編)DIP法によるOrtho-Perioアライナー矯正治療を通して
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