キーワード Ⅱ級不正咬合、Ⅱ級顎間ゴム、歯科矯正用アンカースクリュー、アライナー矯正装置、歯肉退縮、歯髄壊死Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2025 vol.5 issue 2図1 歯の遠心移動を始めると、前方の歯には同等の反対方向の力(反作用)が加わる。図2 Ⅱ級顎間ゴムは、上顎前歯を前方に出すことなく臼歯の遠心移動を行う目的で使用する。ただし、下顎歯列には前方移動する反作用が生じる。 プレシジョンカットとボタンカットの利用67佐野良太 SANO Ryouta, DDS, Ph.D.佐賀駅前矯正歯科 〒840-0801 佐賀県佐賀市駅前中央1丁目13-40 連絡先 E-Mail: ryotasano2002@gmail.com日本版オリジナルページメソッドプレゼンテーション&症例報告 アライナー矯正治療では、臼歯関係Ⅱ級症例において上顎臼歯の遠心移動を行うことにより改善を図る際、Ⅱ級顎間ゴムを使用する。当然、作用があれば反作用もあるため、上顎臼歯の遠心移動を始めると前方の歯には同等の反対方向の力が加わり、上顎前歯が唇側傾斜する方向に動いてしまう(図1)1-3。Ⅱ級顎間ゴムの使用目的は、この前方の歯にかかる反作用を相殺し、上顎前歯を前方に出すことなく臼歯の遠心移動を行うことにある(図2)1。 Ⅱ級顎間ゴムは、通法では上顎犬歯(あるいは上顎第一小臼歯)に設置したボタンやアライナーに入れたカット(プレシジョンカット)と下顎第一大臼歯に設置Ⅱ級顎間ゴムを使用したⅡ級不正咬合の改善佐野良太佐野良太歯科矯正用アンカースクリューの 利点・優位性を活かした アライナー矯正治療(前編)
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