JAO[Journal of Aligner Orthodontics]日本版 2025年No.2
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Hシュワルツマクナマラヘルマン日本版オリジナルページ[連載]有田光太郎[長崎県・ありた小児歯科・矯正歯科] / 岡野修一郎[Aligner Studio] / 渡部博之[愛知県・名駅MA矯正歯科] 筆者が小児を含む成長期の患者に対するアライナー矯正治療を開始してから、5年の月日が経った。現在、Ⅰ期治療を終了した症例が多くなってきたが、その治療結果は筆者がこれまで行ってきたS床や機能的矯正装置、ツーバイフォー(2×4)によるⅠ期治療とは異なることがわかってきた。それにともない、早期治療そのものへの考え方にも大きな変化が生じている。 本稿では、筆者が本連載にて開咬症例および過蓋咬合症例の各論を解説する前に、読者の理解を助ける目的から、まずは現在の筆者がもつ早期治療に対する考え方を総論的に説明しておく。ただし、成長終了まで経過観察された症例はまだ少ないため、「あくまで現時点での私見である」との断りを入れておく。chwarzの拡大 筆者が成長期患者に用い、本稿で供覧する症例や解説に示すInvisalign firstは、米国・Align Technology社が製造販売を行う成長期患者用アライナー型矯正装置である。適応条件(図1)や治療期間が同社によって決められており、通常のInvisalignとは治療期間が18か月に制限されているという違いがある。Invisalign firstによる治療目的には、以下が挙げられる。 McNamaraは、Ⅰ級叢生の治療開始適正時期を、ellmanの歯齢ⅡA期としている1。そして前述のようにInvisalign firstの適応条件は、Align Technology社が規定しており、治療期間は18か月までに限られている。早期治療の目的とできることが変わるⅠ期治療の開始適正時期が変わる■1 Ⅱ期治療が不必要になる■2 Ⅱ期治療の短縮化(1年以内に終了する)■3 非抜歯治療が可能になるWATABE HiroyukiARITA KotaroOKANO Shuichiro有田光太郎 ARITA Kotaro, DDS, Ph.D.ありた小児歯科・矯正歯科 〒852-8016 長崎県長崎市宝栄町14-8  E-Mail: kotarou92@hotmail.co.jp岡野修一郎 OKANO Shuichiro, DDSAligner Studio E-Mail: sandsd1104@gmail.com渡部博之 WATABE Hiroyuki, DDS, Ph.D.Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2025 vol.5 issue 2はじめにアライナーの登場で大きく変わる早期治療名駅MA矯正歯科 〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅3-23-6 第二千福ビル2F  E-Mail: info@meieki-kyousei.com第2回 小児開咬症例:有田光太郎の考えかた・治しかた [1]104それぞれの視点から学ぶ 治る・治すメソッドとストラテジーOPENBITE / DEEPBITE

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