JAO[Journal of Aligner Orthodontics]日本版 2025年No.3
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2   C      1 B   C    D     E      E      6      6      永久歯として萌出している切歯のうち少なくとも2歯の歯冠が2/3以上萌出している乳歯(乳犬歯 / 第一乳臼歯 / 第二乳臼歯)または未萌出の永久歯(犬歯 / 第一小臼歯 / 第二小臼歯)が2歯以上ある両顎治療:少なくとも3/4顎が条件を満たしている 片顎治療:左右両側が条件を満たしている  1 D     6      犬歯~第二小臼歯間に2歯萌出した永久歯があるため不適応。他の永久歯の萌出を待って永久歯列向けの治療計画を立案し直すか、機能的マウスピース型矯正装置を勧める場合もある  12   3    4     E      6      条件  1   12   C    4     5      2   3    D     E      6      日本版オリジナルページ歯の分類・基準となる歯大臼歯第一大臼歯乳中切歯 / 乳側切歯切歯中切歯 / 側切歯その他乳犬歯 / 第一乳臼歯 / 第二乳臼歯の歯  A B   C    D     E      6      図2 Invisalign Firstの対象となる患者の基準。一般的に6~10歳であるが、適応条件は身体年齢ではなく歯齢に基づく。筆者は、12CDE6(例3)での介入がベストと考えている。[インビザライン・ジャパン社ユーザー用資料より引用改変]70Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2025 vol.5 issue 3例5例6例1 Align Technology社(米国・テキサス州)によるアライナー矯正治療システムInvisalignは、2006年に日本でリリースされた。当初は主に成人患者を対象とした治療オプションとして認識されていたが、2019年3月に小児用アライナー矯正治療システム「Invisalign First」が日本でも正式にリリースされた。 筆者は2019年1月にInvisalignのライセンスを取得し、その直後からInvisalign Firstの臨床応用に取り組んできた。当時は小児に対するアライナー症例が極端例2例3例4に少なく、アタッチメントデザインやステージング、乳歯交換にともなうアライナーの不適合への対策は現在ほど洗練されていなかった。そうした中、臨床で試行錯誤を重ね、適切なアタッチメントデザインや歯列の成長を考慮したステージングの工夫、モチベーションの維持が必要であることが明確になっていった。 小児矯正治療の選択肢としてInvisalign Firstが登場したことで、保護者の治療への心理的ハードルが下がった点も重要である。矯正歯科治療はワイヤーが主流であり、保護者自身がワイヤー矯正治療経験者ということも少なくないため、治療開始前の段階で「ワイヤー矯正治療と比較して痛みはどうか」「清掃性に問題使用アライナーシステムInvisalignFirstについて〇〇〇×〇×

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