JAO[Journal of Aligner Orthodontics]日本版 2025年No.5
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メソッドプレゼンテーション緒 言ア ラ イ ナ ー 自 動 研 磨 の 手 順 アライナーの内製化は、世界中の矯正歯科医院で普及しつつある。円滑なワークフローにより、歯科医師は治療計画、アライナーの設計、製造工程を完全にコントロールできるようになる。自動トリミング機の導入により矯正担当チームの労働量はさらに軽減されるが、依然として手作業による研磨は必要である。本稿ではこの仕上げ工程を省くための、費用対効果が高くかつ導入しやすい新たな研磨法について述べる。 矯正歯科には、リテーナー、スプリント、拡大装置、マウスガードなどさまざまな装置を院内で製作するという長き伝統がある 1 。 3 D プリント技術の急速な進歩とデジタル矯正治療用ソフトウェアの普及にともない、アライナーの内製化は世界中の矯正歯科医院で一般化しつつある2-5。円滑なワークフローは付加価値を高め、矯正担当チームの時間と労力を軽減し、効率的な方法で予測可能な結果を提供することで、歯科医師は治療計画、アライナーの設計、製造工程を完全にコントロールできるようになる 1 。 このようなアライナー内製システムは、資料採得、ソフトウェアによる治療計画立案、アライナーの製造、患者への引き渡しプロトコールの 4 つの要素で構成される 6 。したがって口腔内スキャナーの導入、治療計画立案および歯の移動のステージング設定を行うソフトウェアの選択、アライナーの製造、トリミング、研磨用機材の準備は、すべて考慮に入れるべき重要なステップである1,3,6。この「革命的」なテクノロジーにより、矯正歯科医は販売優先型アライナーメーカーの支配力と、新たに台頭してきた 「消費者直販型アライナー」のビジネスモデルの両方に対抗でき、矯正歯科分野の専門性と患者の双方をさらに守ることができる 6 。 新しいワークフローの臨床現場への導入は、投資収益率の観点から効果的・効率的でなければならない。ただし、必要機器をすべて購入するための初期費用にIoanna Gidarakou15翻訳:加藤 浩[宮城県・桜ヶ丘歯科・矯正歯科]キーワード アライナーの自動トリミング、デジタルデンティストリー、経済的評価、仕上げ、材料、アライナーの自動研磨、熱可塑性樹脂Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2025 vol.5 issue 5Ioanna Gidarakou, Theodoros EfraimidisIoanna Gidarakou, DDS, PhD Private practice, Katerini, Macedonia, GreeceTheodoros Efraimidis, MSc Head of Information Technology, Optimum Orthodontics, Katerini, Macedonia, GreeceCorrespondence to: Dr Ioanna Gidarakou, 5 Vasileiadi Street, 60134 Katerini, Macedonia, Greece. Email: info@gidarakou.grインハウスアライナーの 新たな自動研磨法

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