日本版オリジナルページ メソッドプレゼンテーション & 症例報告 歯列不正の原因は多岐にわたるが、早期治療によって重篤化を防ぎえたと考えられる症例も少なくない。歯列に著明な狭窄が認められ、オーバーバイトはほぼは じ め に大内仁守大内仁守キーワード 機能的マウスピース型矯正装置、小児用アライナー、成長発育予測を考慮した治療計画、早期介入、短期治療、長期観察Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2025 vol.5 issue 5図 1 上顎右側中切歯の歯髄壊死をともなう重度過蓋咬合症例(a-e)。患者は40歳男性で、上下顎とも歯列弓が狭窄し、オーバーバイトはほぼ100%に達している。図 1は、初診時40歳男性の口腔内写真である。上下顎100%に達している。左側大臼歯には鋏状咬合が確認され、上顎右側中切歯は歯髄壊死により変色している。外傷の既往はなく、口蓋側歯頚部歯肉が大きく退縮していることから、下顎前歯部による長期的な突き上げが慢性的刺激となり、歯髄壊死を引き起こしたと推察される。もし本症例の患者が 7 〜 8 歳の時点で受診しabdce27大内仁守 OUCHI Kimimori, DDS. おおうち矯正歯科・小児歯科クリニック 〒202-0014 東京都西東京市富士町4丁目33-10 連絡先 k@ouchi-dental.com一次矯正治療の重要性と臨床戦略早期介入の意義を症例から考察する
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