Raffaello Cortesi, Lucia Pozzan, Luca Contardo, Salvatore Bocchieri, Iuliia Kashtelianska, Nicola DertonRaffaello Cortesi, MD, MS Private practice, Verolanuova, Italy Lucia Pozzan, DDS Resident, Department of Medical, Surgical and Health Sciences, University of Trieste, Trieste, ItalyLuca Contardo, DDS, MS Associate Professor, Department of Medical, Surgical and Health Sciences, University of Trieste, Trieste, Italy Salvatore Bocchieri, DDS PhD Student, Department of Biomedical and Dental Sciences, Morphological and Functional Images, School of Dentistry, University of Messina, Messina, Italy Nicola Derton, DDS, MS Private practice, Conegliano, ItalyCorrespondence to: Dr Lucia Pozzan, SC (UCO) Clinica di Chirurgia Maxillofacciale e Odontostomatologia, Ospedale Maggiore, Piazza Ospitale 1, 34129, Trieste, Italy. Email: lucia.pozzan@phd.units.itIuliia Kashtelianska, DDS Resident, DDS, Department of Medical, Surgical and Health Sciences, University of Trieste, Trieste, Italy Raffaello Cortesi35 近年のアライナー矯正歯科治療は、臨床歯科医による研究の進展や症例の蓄積、また強固なスケレタルアンカレッジを実現し治療の予測実現性を高める歯科矯正用アンカースクリュー（TADs）の併用などによって、複雑化しつつある。本報では、頬骨下稜部に植立したTADs とエラスティックを併用したⅡ級不正咬合のアライナー矯正治療について述べる。 アライナー矯正治療における生体力学的限界は、治療計画に影響を及ぼす可能性がある。しかし、アライナーと TADs の併用によってこれらの限界を克服することができる1，2。TADs は、アライナー単独では困難な歯の移動を可能にする最適な選択肢である。 患者は27歳男性で、両側ともに犬歯・臼歯関係がⅡ級で上下顎歯列の軽度叢生を主訴に来院した。オーバージェットは正常範囲内だがオーバーバイトは過大で、上下顎歯列正中線は上下顎歯列ともに約 2 mm 偏位していたが、上顎歯列の偏位がより大きかった（次ページ図 1 d〜h）。 顔貌写真では、標準的な側貌および標準範囲内の鼻唇角を認めた。E-line に対して良好な口唇位であり、筋緊張の徴候は認めなかった。ただし、スマイル時、歯列の露出がわずかに少ないことが示された。パラファンクションの徴候は認めなかった。パノラマエックス線写真では上下顎右側第三大臼歯を除く全歯が存在し、また骨欠損、根尖病変、顎関節の異常は認めな症例報告緒 言症 例翻訳：杉森 匡［東京都・東京美容外科 東京先進医療クリニック 歯科診療部］キーワード アタッチメント、Ⅱ級不正咬合、アライナー、歯科矯正用アンカースクリュー（TADs）、遠心移動Journal of Aligner Orthodontics 日本版日本版 | 2025 vol.5 issue 6頬骨下稜部に植立した TADs と エラスティックの併用による Ⅱ級不正咬合のアライナー矯正治療
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