nico 2025年8月号
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は腫デあ片ミューへん36 「痛み止め」といっても鎮痛薬、消炎薬、解熱薬、解熱鎮痛薬などさまざまな呼びかたがありますが、薬効としては「解熱鎮痛消炎剤」に分類されています。 痛み止めは、大きく「オピオイド系鎮痛薬」と「非オピオイド系鎮痛薬」に分けることができます。オピオイド系鎮痛薬は、全身麻酔時や、がんの痛み止めとして用オピオイド系鎮痛薬非オピオイド系鎮痛薬いるのが一般的です。一方、非オピオイド系鎮痛薬には、「解熱鎮痛薬」と「非ステロイド性抗炎症薬」があります。これらは、鎮痛薬として歯科医院で一般的に処方される薬剤です。 なお、オピオイド系鎮痛薬(トラムセット ®配合錠)も、抜歯後の痛みに対して使用することがあります。*副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイド薬は強力な抗炎症薬で、歯医者さんで痛み止めや解熱を目的として処方されることはありません。ただし、口内炎などには、軟膏剤(なんこうざい)や貼付剤(ちょうふざい)、噴霧剤(ふんむざい)として使用することがあります(p.45)。また、副腎皮質ステロイド薬の長期の内服は骨粗しょう症などのリスクがあるため、注意が必要です。ィオールに「プワゾン(Poison)」という香水があります。Poisonとは「毒」という意味です。また、イヴ・サンローランには、なんと「オピウム(Opium)」という香水があります。オピウムとは、阿す。「オピオイド(opioid)」とは、この「オピウムに似たもの」という意味です。抜歯のあとに「痛み止め、出しておきます」と言われて出されたお薬が、かぜのときに処方されたものと同じだったという経験はありませんか。かぜの炎症や発熱を抑えるお薬と同じものを、抜歯後の痛み止めとして処方される―、これは珍しいことではありません。では、お薬の特徴からみていきましょう。解熱鎮痛薬非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)抗炎症薬副腎皮質ステロイド薬*鎮痛作用解熱作用この2つが歯医者さんでよく用いられます。痛み止めの分類その1オピウムとモルヒネの関係消炎作用薬 の マメ 知 識痛みをやわらげる働きのことのことで熱を下げる働きのこと 強い鎮痛作用をもつモルヒネも、オピオイド系鎮痛薬の1つです。モルヒネは体の中にある「μオピオイド受容体」という物質に働きかけます。この「μ」は、morphineの頭文字M のギリシャ文字です。ちなみに人の体は、オピオイド受容体に作用する物質を、自分の体内でも産生しています。れや赤みなどの炎症を抑える働きのこと歯医者さんで処方される痛み止めは、おもに2種類歯医者さんで処方される「痛み止め」ってどんなお薬?

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