123451ZAGAコンセプトの起源症例1は、完全無歯顎の患者に対して、4本のザイゴマインプラントと即時荷重による固定性補綴装置を適応したケースを示している。臨床写真および X 線写真は、ZAGA コンセプトに基づき患者の解剖学的特徴に適応させた2種類の骨切り設計を示している。前方のインプラントの位置は残存する歯槽頂の一部を活用できるようにすることで、併発症の予防に役立っている。一方、より遠位のインプラント部位では残存骨が少ないため、骨切りは上顎の外側エリアに移動されている。さらに、2種類の異なる骨切りパターンに加えて、異なるインプラントデザインも使用されている。前 方 の イ ン プ ラ ン ト(Straumann ZAGA ラ ウ ンド)は、円形断面で頚部部分にスレッドがあり、残存骨を保持するよう設計されている。後方のインプラント(Straumann ZAGA フラット)は、 円弧状の断面を持ち、頚部部分の骨接触部位にのみマイクロスレッドがある。術前の X 線写真と最終補綴装置装着時の写真を比較すると、上顎洞の反応は良好であることが確認できる。症例1 (1)左側前方インプラントのバーチャルプランニング。(2)左側後方インプラントのバーチャルプランニング。(3)ZAGA ゾーンのマーキング作業(白い円;第3章参照)。このマーキングは、術中にインプラントの経路を術者が把握・記憶するために不可欠である。(4)ラウンドバーを使用して薄い歯槽堤を切削する。頬側に到達した後、前庭側歯槽部出口(白い円)から上顎洞入口までの経路を形成するためのチャネルを削る。(5)ツイストドリルを使用して頬骨骨切りを完成させる。骨切りは歯槽骨(白い円)を貫通する。>>1212症例1
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