歯ブラシ処方箋(図3a)は、患者さんに初めて口腔衛生用品を処方する際だけでなく、処方内容を変更または追加するタイミングで非常に有効です。 特に経験の少ない歯科衛生士は何を処方したらいいのか悩んだり、患者さんに必要性を聞かれた時にうまく答えることができなかったりすることがあると思います。そんな時、歯ブラシ処方箋を活用することで少しでも自信をもって患者さんと向き合うきっかけになれば幸いです。 「なぜこの口腔衛生用品が必要なのか」「どの部位にどのように使用するのが有効か」を患者さんにきちんと理解してもらい、納得して使ってもらうためのツールとして歯ブラシ処方箋を活用してください。良いと思って処方した口腔衛生用品を実際に患者さんが使いこなせない場合もあります。このような場合にも変更理由を記載して再度処方箋を発行すると理解が得られやすいと考えます 。自信をもって患者さんと向き合えるきっかけに活用のコツ金子 創 Hajime Kaneko 南野莉穂 Riho Minamino2図3a 初診時に発行した歯ブラシ処方箋強い炎症が認められる歯肉に対して、歯肉を傷つけないようにプラークを落とすために、軟らかくコシのある歯ブラシを処方した。加えて、効率よく隣接面のプラークコントロールを行うために、唾液を吸うと膨らむフロスを処方した。102
元のページ ../index.html#5