87chapter07-01 図03て縦切開を加える(図 4).比較的容易な抜歯の際には,縦切開がない袋状切開でもよい. ▶第二大臼歯遠心切開は,円刃刀(No.15)では困難で,彎刃刀(No.12)を立てて深く切開することで,粘膜骨膜弁をきれいに剥離することができる(図 5). ▶彎刃刀(No.12)で第二大臼歯遠心部に約 1.5 cm の切開を加え,遠心および頬側の歯周靱帯を切離する. ▶遠心切開は内斜線と外斜線の中間で骨面を触診,確認しながら行う(図 3). ▶次いで,円刃刀(No.15)で近心頬側部に下方に向かっ ▶縦切開部から遠心に向かって始め,骨膜剥離子を骨面にあて,こする要領で粘膜骨膜弁を剥離する(図 6).①切開②粘膜骨膜弁の形成(剥離)図 3,4 切開.彎刃刀で遠心部に約 1.5 cmの切開を加え,遠心側および頬側の歯周靱帯を切離する.次いで円刃刀で近心側部に前下方に向かって縦切開を加える.遠心部切開の位置は,咬合面中央溝の延長線ではなく,内斜線と外斜線の中間ないし,やや頬側よりで,触診にて骨面を確認しながら切開を加える.図 5a, b 完全埋伏歯の遠心切開では, 彎刃刀を立てて,第二大臼歯遠心歯頚部までとどくように深く切開することが大切である(矢印部).こうすることで,粘膜剥離の際に挫滅創にならず,きれいな粘膜骨膜弁が形成できる.また,遠心切開では,指で骨を確認して,骨面上をやや弧状に切開する.比較的容易な抜歯の縦切開は2 mmで 1 糸縫合する.難抜歯で視野を広くとりたいときには,3~4 mm で 2 糸縫合する.図 6 骨膜剥離子を骨面にあて,「こする要領」で粘膜骨膜を剥離する.外斜線内斜線CHAPTER 8 下顎水平埋伏智歯の抜去① 頬側法090234ab智歯抜歯テクニックコンプリートガイド抜歯後のケア画像の撮影・診断と,麻酔上顎智歯の抜去はまる形態の智歯の抜去抜歯後のトラブルの予防・対応下顎智歯の抜去chapter07-01 図05b
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