CHAPTER 14上顎埋伏智歯の抜歯のポイントCHAPTER 14 上顎埋伏智歯の抜去 はまる原因・はまらないポイント①可能な限り智歯を削らない!②開口域は 1 横指半程度とし,口角からヘーベルをかけ,指先の感覚を大切にする(図 1).③確実にヘーベルが智歯の近心隅角歯頚部にかかっていることを確認する.④骨折させないよう無理な力をかけず,少しずつ遠心の骨を広げながら,脱臼させる.⑤遠心に倒れないときには,遠心の骨を開削,またはグルーブを形成する.⑥遠心に倒しながら,下方ではなく頬側へ取り出す.134智歯抜歯テクニックコンプリートガイド抜歯後のケア画像の撮影・診断と,麻酔上顎智歯の抜去はまる形態の智歯の抜去抜歯後のトラブルの予防・対応下顎智歯の抜去埋伏の深さ被覆骨はまる智歯・骨の状態埋伏歯の歯軸方向(近心・遠心・水平/頬側・舌側)歯根の数と形態上顎洞との距離フラップはどこまで必要か骨削除はまらない対策・処置歯冠・歯根の分割ヘーベルを入りやすくするには見込み所要時間疼痛・腫脹・発熱難易度予測・骨性完全埋伏・骨性完全で上顎洞との間の骨が卵殻状・上顎結節部の硬く厚い骨(おもに 40 歳以上)・遠心傾斜・水平埋伏・口蓋側向き・4 根・根尖が近心へ向かう湾曲根・開大または肥大根・2 mm 以下・頬側に可動粘膜部までの切開が必要・【智歯が頬側にあるとき】第二大臼歯の頬舌的中心部を遠心頬側へ切開.・【智歯が口蓋側にあるとき】第二大臼歯の遠心口蓋隅角部を遠心口蓋側へ切開.・骨削除する範囲で剥離する.・頬側はヘーベルを智歯の近心隅角部に頬側からかけられるまで.・歯槽頂部は智歯の歯冠最大豊隆部まで.・上記 2 点を結ぶ範囲の頬側骨を歯冠が明示できるように削除.・可能な限り分割しない!・どうしても起こせないときのみ,アンダーカット部を最小限で歯冠切除・近心隅角部歯頚部に確実にヘーベルがかかるようにすることがポイント・1 横指半の開口で口角から日大型 1 号,または曲がり 2 程度のヘーベルをかけること・5 分~10 分・ヘーベルをかける時間はトータル 1 分以内を目安とする・智歯周囲炎経験歯は 3 日分,未経験歯は 2 日分の抗生剤投与で,術前からが better・痛みは下顎より弱い.多くはアセトアミノフェンでコントロールできる.・+(下顎より比較的易)・深い場合は++図 1 開口域は 1 横指半程度とし,口角からヘーベルをかけ,指先の感覚を大切にする.上顎埋伏智歯の抜去
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