奥能登地域羽咋金沢輪島珠洲能登七尾123459図1 1998年になぎさ歯科クリニックとして金沢に移転開業。2014年に診療台3台、セミナールームを増設した。図2 手術専用診療台。図3 地震当日の受付。カルテが飛散していた。図4 歯科技工室のファーネスが倒れていた。幸いにして技工台がストッパーになっていたので被害は最小限だった。図5 模型・咬合器などが損傷していた。0009 ─Vol.32, No.1, 2025ごろに、院長室でものすごい揺れを感じて、それがずいぶん長く続き、近くに置いてある本棚などがいろいろ倒れてきて、部屋から出られなくなりました。前日出勤してくれていた若い代診の先生が近くに住んでいたので、電話をかけて助けを求め、やっとの思いで院長室から出られました。あの時は津波警報が出ていたので家族にも連絡して無事だということを確認し、家族は緊急避難場所になっていた近くの中央病院に避難していました。私はどうしようかなと思いながら、自院に夜9時ごろまでいて、そろそろ大丈夫かと思い、自宅に歩いて帰りました。 自院がどうなったかをあらためて確認すると、受付のカルテが床に散乱していたり、歯科技工室はぐちゃぐちゃで、ファーネスが倒れたり、作製途中の模型が木端微塵になっていたり、咬合器が壊れていたりとかで(図3〜5)、これは大変だなと思った次第ですね。 幸いにして金沢はそこまで被害は大きくなかったので1月5日から診療を始めることにし、3日、4日にスタッフが来てくれました。整理整頓をしてチェアが動くことも確認したので、診療はなんとかできる状態でした。それよりは、奥能登や珠洲、輪島、能登、門前の辺り一帯の被害が甚大なので、元日から続々とそのニュースがたくさん入ってきました。多くの方が犠牲になり、今後どうなるのかなと思っていました。医院での対応
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