Quintessence DENTAL Implantology 2025年No.1
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#GBR  #ソーセージテクニック  #低侵襲 #スペースメインテナンス99 骨造成術の方法は、自家骨移植1、骨再生誘導法(GBR)2、スプリットクレスト3、インターポジショナルグラフト4、ディストラクション5があるが、GBRは代用骨とメンブレンを使用した方法で汎用性が高く、予知性の高いもっとも頻繁に選択される術式の一つである6。しかし、インプラントプラットフォーム周囲に留めたはずの顆粒状の代用骨が術後、想定よりも吸収してしまった経験はないだろうか。プラットフォーム周囲の骨は予知性の高いインプラント治療を行うために重要であり7、骨造成術の目的はその重要な部位を主とした歯槽骨の厚みを確立させることである。しかしGBRでは、プラットフォーム周囲に骨を造成させるのが困難なことがある8、9。筆者は、その原因であり、GBRでもっとも意識すべきファクターは、骨再生を促すスペースの維持(スペースメインテナンス)と考えている。 そこで本稿では、まずGBRのスペースメインテナンスがなぜ困難なのかをフェーズに分解して解説し、次にGBRの新手法「Abutment Step Technique」(以下、ASテクニック)を紹介、最後にASテクニックを用いた症例を供覧する。 GBRを術中と治癒のフェーズに分けて考えてみると、スペースメインテナンスを阻害する3つの要素は、術中における①縫合と、治癒における②瘢痕収縮、③線維芽細胞といえる。松田博之Hiroyuki Matsuda千葉県開業 : 日本歯科口腔外科クリニック千葉はじめに日本歯科大学卒業。日本と米国で口腔外科医として研鑽を積み、2022年に口腔外科専門クリニックを開業。0099 ─Vol.32, No.1, 2025GBRのスペースメインテナンスはなぜ困難なのか特別企画低侵襲&低コストなGBRの考え方・新手法

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