Quintessence DENTAL Implantology ─ 0630第 2 回デジタルデンティストリーを基盤とした院内業務改革と診療精度向上への取り組み(%)1009080706050403020100’98 ’00 ’02 ’04 ’06 ’08 ’10 ’12■ 60歳以上■ 50~59歳■ 40~49歳■ 30~39歳■ 29歳以下’14’16’18(年)安藤壮吾 Shogo Ando愛知県開業:なみき通り歯科・矯正歯科総合歯科医院のつくり方(人)6,0005,0004,0003,0002,0001,00056%44%25歳未満 25~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65歳以上022%28%33%78%36%44%72%67%64%56%■ 女 ■ 男11%8 %5 %16%89%92%95%84%はじめにBasic この課題に対して筆者の医院では、院内ラボと保育所を併設し、デジタル補綴を基盤としたフレックス制の勤務環境を導入している。子どもを預けながら働ける環境が日本国内でまだまだ限られているなかで、「働きたい」という意志をもったママ歯科技工士が、 9 〜15時の短時間勤務で高精度な補綴装置を作製できる体制を構築している(図 2)。 しかしながら、これは単なる福利厚生というだけではなく、デジタル化された補綴ワークフロー(たとえばIOS[In-traoral Scanner]やCAD/CAM、クラウドによる情報共有)があって初めて実現できた運営モデルだといえる。デザイン・ミリング・セットアップの各工程をデータで引き継ぐことで、個人の技量差やライフスタイルに依存しない「チームとしてのラボワーク」が実現し、歯科技工士が途中で早退などしても品質や納期を維持できる環境を作り出すことが可能となった(図 3)。図 1 -a 歯科技工業界では若い世代がかなり減っていて、近年では半数以上が50歳以上となっている。106図 1 -b 男女比でみると、年齢が若くなるにつれて女性の割合が高くなっている。 日本社会は今、「少子高齢化」「労働人口の減少」「女性就業支援」「デジタルへのシフトと効率化」など、さまざまな課題に直面している。これらは歯科医療業界においても例外ではなく、歯科診療の現場でもスタッフの管理や育成の方法が見直され、大きな変化がもたらされていくであろう。 深刻な人手不足が続く歯科技工士でも、最近は若い女性が増えてきている。厚生労働省の「令和 2 年衛生行政報告例」によれば、25歳以下では女性歯科技工士の割合が56%と男性を上回っている(図 1)。しかし、その一方で出産・育児・介護といったライフステージの変化を理由に離職する女性歯科技工士は依然として多く、復職のハードルも高いという現実がある。
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