Quintessence DENTAL Implantology 2025年No.4
8/9

The International Journal ofOral & Maxillofacial ImplantsDoes Implant Placement Below the Ridge Reduce Crestal Bone Loss? A Split-Mouth Randomized Controlled Clinical Trial要約目的:歯槽頂レベルに埋入したインプラントと 2 mm 骨縁下に埋入したインプラントにおける、埋入後 2 、12、36、60ヵ月時点での歯槽頂部骨吸収(CBL)の程度を評価すること。材料および方法:Kennedy IV 級の下顎中間欠損症例を対象としたスプリットマウスデザインによるランダム化比較試験を実施した。側切歯部において、同一の長さ・直径を有する 2 本のインプラントを歯槽頂レベルと 2 mm 骨縁下にそれぞれ埋入した。X 線撮影標準化装置(Rinn center-ing devices)を用い、デンタルX 線写真を経時的に撮影した(埋入直後[T 0 ]、 2 ヵ月後[T 1 ]、12ヵ月後[T 2 ]、36ヵ月後[T 3 ]、60ヵ月後[T 4 ])。記述統計およびt検定を使用し、P≦0.05を統計学的有意とした。25名の患者(平均年齢65±9.88歳、範囲:42〜82歳)を組み入れ、脱落者はいなかった。総計50本のインプラントが埋入され、25本が歯槽頂レベル、25本が骨縁下に埋入された。結果:60ヵ月のフォローアップ時点で、インプラントや補綴装置の脱離は記録されなかった。歯槽頂レベル群では平均 CBLは0.81±0.40mm(範囲:0.1〜1.6mm)であり、 骨縁下群では0.87±0.41mm(範囲:0.2〜 2 mm)であった。しかし、骨縁下群でのCBLの増加は統計学的に有意ではなかった(P=0.65)。さまざまなフォローアップ時点での両群の平均 CBL 変化量を比較すると、T 0 〜T 1(0.25 vs 0.1mm)およびT 1 〜T 2(0.39 vs 0.23mm)の変化では、骨縁下群でより大きなCBLが記録されたが、その後のフォローアップでは、T 3 とT 4 の間(0.05 vs 0.18mm)で歯槽頂レベル群でより大きな値を示し、統計学的有意差(P=0.01)が認められた。結論:時間の経過とともに、骨縁下群ではCBLの程度が減少し、インプラントショルダーの上方で骨が保持される傾向がある。インプラントショルダーの位置はCBLの総量に影響しないものの、インプラント粗面表面が露出するリスクを考慮し、骨縁下への埋入が推奨される。KEY WORDS:歯槽頂部骨吸収、歯科インプラント-アバットメントデザイン、歯科インプラントプラットフォームスイッチング、歯科 X 線学、マイクロスレッド、モーステーパーコネクション、骨縁下レベルFOCUS ONQuintessence DENTAL Implantology ─ 0682158訳/蓮池 聡日本大学歯学部歯周病学講座*連絡先:Prof Michele Cassetta, michele. cassetta@uniroma1.itInt J Oral Maxillofac Implants. 2025 Feb 7 ;40( 1 ):41-50Altieri F/Cassetta M *骨縁下埋入は歯槽頂部骨吸収を減少させるか? スプリットマウスランダム化比較試験

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る