Quintessence DENTAL Implantology 2025年No.5
4/9

第11回上顎前歯部におけるインプラント治療の基本①③④②①3〜5mm2mm2mm②③動画で学ぶ インプラント外科 基本の「き」白鳥清人 Kiyoto Shiratori静岡県開業:医療法人社団 白鳥歯科低リスク 〜 高リスク厚い 〜 薄い四角形 〜 三角形 高い 〜 低い適応症上顎前歯部における抜歯即時埋入上顎前歯部インプラント治療の考慮事項Basicなどの前処置が推奨され、インプラント埋入部位の硬・軟組織量の確保が長期的な安定性と審美性に寄与することもわかっている 6 、7 。よって、その診断が重要であり、上顎前歯部のインプラント治療は、硬・軟組織の状態や患者の希望に応じた多角的なアプローチと術後の長期的なフォローアップが重要である。 上顎前歯部の抜歯即時埋入の適応症は、第一に抜歯窩の周囲骨(特に唇側骨板)が十分に保存されており、骨欠損や大きな感染がないことが重要である。また、インプラントの初期Basic表 1 インプラントによる前歯部単独歯欠損修復時のリスク診断基準(文献 8 より引用・改変)項目①歯の位置より歯冠側(口蓋側) 〜 より根尖側(唇側)②歯肉形態平坦なスキャロップ 〜 高いスキャロップ③歯肉のバイオタイプ④歯の形態⑤骨頂の位置108108図 1 理想的なインプラント の ポ ジ シ ョ ン は、 補 綴イ ン ト)か ら 3 〜 5 mm 根側(④)になる。Quintessence DENTAL Implantology ─ 0816マージンの最下点(ゼニスポ尖側(①)、 唇側に 2 mm 程度のギャップを残し(②)、軸方向は歯軸(③)より口蓋 上顎前歯部のインプラント治療は、審美性と機能性の両立が求められる難度の高い部位であるが、適応症例を的確に選択すれば抜歯即時埋入やリッジプリザベーションを行うことで、シンプルな手術で良好な治療結果が得られる。抜歯即時埋入と即時荷重は、審美領域での歯肉や骨の形態維持、治療期間短縮に有効であり、適切な症例選択と術式で高い成功率と良好な審美性が報告されている 1 〜 3 。また、リッジプリザベーション(歯槽堤保存術)も抜歯後の骨吸収を最小限に抑え、審美的かつ長期安定したインプラント治療を実現するために有効であると報告されている 4 、5 。一方、骨や歯肉の欠損がある場合は、自家骨ブロック移植や骨増生、矯正的挺出

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る