Quintessence DENTAL Implantology 2025年No.5
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The International Journal ofOral & Maxillofacial ImplantsQuintessence DENTAL Implantology ─ 0872164Int J Oral Maxillofac Implants. 2025 Apr 8 ;40( 2 ):188-96Henn P/Gehrke P/Happe A/Neugebauer J *Retrospective Evaluation of Peri-implant Marginal Bone Level of Reduced-Diameter Implants by Mixed Model Analysis要約目的:本後ろ向き研究は、民間歯科医院から得られた不均質な診療データを用いて、小幅径インプラント(RDI)の辺縁骨レベル(MBL)に関連する外科的あるいは補綴的治療術式を評価することを目的とした。材料および方法:合計123名の患者に326本のインプラントが埋入され、そのうち247本はRDI、残りの79本は標準径インプラント(SDI)であった。平均観察期間は24.4ヵ月、最長観察期間は76.0ヵ月であった。MBLは、インプラントの幅径、埋入時期、荷重開始時期、骨造成量および埋入部位ごとに評価された。混合モデル解析には、再構成後のデータを用いた。結果:解析対象において、RDI 使用群とSDI 使用群のMBLに統計学的に有意な差を認めなかった。さらに、インプラント埋入時期、荷重時期および 2 段階の骨造成術の実施の有無と、MBLの変化量に統計学的に有意な関連を認めなかった。結論:RDIは、水平的な骨欠損を認める症例においても有効な治療の選択肢になりうる。特に臼歯部におけるRDIの使用は、良好な結果が得られており、患者の状況によっては、幅径3.5mmのインプラントも適応となる。不均質な診療データに対して、混合モデル解析を用いて評価をすることで、診療データの統合や後ろ向き研究数の増加につながるため、エビデンスに基づく歯科医療の基盤構築に寄与する可能性がある。KEY WORDS:骨造成、口腔インプラント、インプラント幅径、辺縁骨レベル、混合効果モデルFOCUS ON訳/三野卓哉、前川賢治大阪歯科大学歯学部 欠損歯列補綴咬合学講座*連絡先:Dr Jörg Neugebauer, jn@gimmenhausen.eu混合モデル解析を用いた小幅径インプラント周囲の辺縁骨レベルの後ろ向き評価

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