Quintessence DENTAL Implantology 2025年No.6
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意点と術式、そして臨床例を前回解説した。 複数歯欠損のインプラント治療になっても基本は同じであるが、欠損歯が多くなってくるとインプラントポジションがさらにシビアになってくる。連続して埋入する際のインプラント間の間隔、あるいはブリッジを設計する場合は、インプラントの埋入本数と配置を慎重に決定し、理想的なポジションに正確にインプラントを埋入する必要がある(図1〜4、動画1、2)。Basic上顎前歯部複数歯欠損におけるインプラント治療の考慮事項 上顎前歯部のインプラント治療は、機能性はもちろんのこと、長期に安定した審美性が求められるため難度が高い。一歯欠損の場合、抜歯即時埋入やリッジプリザベーションの適応症例であれば、シンプルな手術で良好な治療結果が得られることは、多くの論文で報告されている1、2。その実際の注図1-f 可能な限り歯肉と骨を壊さないように抜歯を行った。特に唇側骨板の温存と₁₁間の歯間乳頭を切らないように注意した。図1-e 歯列不正があり₂₂間も狭かったが、矯正治療は希望されなかったため、₁₁のみの治療となった。診断用ワックスアップで咬合と審美の確認をした。fe並列2歯欠損のインプラント治療(図1)図1-a〜d 初診時48歳の女性。転倒時に顔面を強打、前歯動揺があり、かかりつけ医を受診後、紹介にて来院。X線写真にて₁₁の歯根破折を確認した。CT画像にて唇側骨板とインプラントの支持骨が十分あることが認められたため、抜歯即時埋入の適応と診断した。₁部₁部cbda白鳥清人 Kiyoto Shiratori静岡県開業:医療法人社団 白鳥歯科上顎前歯部におけるインプラント治療の基本②動画で学ぶ インプラント外科 基本の「き」第12回(最終回)9494Quintessence DENTAL Implantology─ 0990

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