Quintessence DENTAL Implantology 2025年No.6
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FOCUS ONThe International Journal ofOral&Maxillofacial Implants目的:インプラント除去に至ったもっとも多い原因を見つけるために、病院施設において、20年以上の期間中に観察されたインプラントの失敗とインプラント除去に関連する原因とリスク因子を評価すること。材料および方法:本後ろ向き研究では、2000〜2022年の間に除去されたインプラントを登録し、除去の原因を特定した。すべてのインプラントはイタリア、ローマのGeorge Eastman歯科病院口腔外科の1名の術者(P.P.M.)によって除去された。インプラントの表面、形態(ボーンレベルvsティッシュレベル)、補綴装置のタイプ(固定性vs可撤性)、固定性補綴装置の症例での維持様式(セメントvsスクリュー)などの除去インプラントの特徴と、インプラント埋入部位(上顎vs下顎)が記録された。患者レベルの特性として、患者の全身状態、服用している/あるいは服用していた薬剤、喫煙習慣、および歯周炎の既往が記録された。結果:20年間に合計381名の患者の381本のインプラントが除去された。もっとも多かった除去の原因は、インプラント周囲炎(インプラントの82.4%)で、次いでインプラントの位置の不正、およびオッセオインテグレーションの喪失であった。結論:除去までの期間(残存期間)は除去の原因に影響されなかったが、ボーンレベルインプラントはティッシュレベルに比べ残存期間が長かった。上顎のインプラントは下顎に比べ、インプラント周囲炎の頻度が高かった。Int J Oral Maxillofac Implants. 2025 May 29;40(3):348-56要約KEY WORDS:失敗の分析、インプラント除去、インプラント周囲炎、後ろ向きコホート*連絡先:Dr Lucrezia Paternò Holtzman, lucreziaph@gmail.comインプラントの失敗の原因およびその後の除去:病院施設における後ろ向き研究Causes of Implant Failure and Subsequent Removal: A Retrospective Study in a Hospital SettingPaternò Holtzman L*/ Solderer A/Malpassi C/Palattella P訳/松浦正朗福岡歯科大学名誉教授150Quintessence DENTAL Implantology─ 1046

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