QDT Vol.49/2024 November page 1255D-A2+CL-O(4:1)透明 まずは、透明度の異なるデンティンを用いた検証を行いたい。 A2のオペークを塗布したメタルコーピングを用意する。次に、高透明・普通・不透明の3種類のA2デンティンをそれぞれ築盛した上にエナメルおよびトランスルーセントを築盛し、3種類のシェル状クラウンを製作した。それぞれに築盛したデンティンは以下のとおりである。高透明:D-A2にCL-O(透明陶材)を4:1で調合したデンティンを築盛普通:D-A2を築盛不透明:OD-A2(オペーカスデンティン)を築盛D-A2OD-A2透明度不透明 そして、その3種類のシェル状クラウンとメタルコーピングを用いて明度の変化の検証を行った(図1、2)。 まず、この透明度を変化させた3種類のシェル状クラウンを単独で黒バックの上に置いて観察すると、デンティンの透明度が増すほどに裏側の黒色の影響を受けやすくなる。色については、透明度が増すほどデンティン色が確認でき、不透明になると反射が強くなった結果、デンティン色よりも白みが増しているように見える(図3)。シェル状クラウンを裏返して置いてみると、さらに強く黒背景の影響を受け、透明度の違いを顕著に確認することができる(図4)。 透明D-A2+CL-O(4:1)D-A2OD-A2不透明明度変化の検証のためのサンプルシェル状クラウンを単独で観察すると透明度の違いが分かりやすい第5回 「色明度」と「反射明度」透明度図1 A2のオペークを塗布したメタルコーピング。図2 A2オペークを塗布したメタルコーピングにシェル状クラウンを被せる。図3 彩度は変更せずに、透明度の異なる3種類のシェル状クラウンを製作。それぞれ単独で黒バックの上に置いて観察すると、デンティンの透明感が増すほどに裏側の黒色の影響を受けやすくなる。色については、透明感が増すほどデンティン色が確認でき、不透明になると反射が強くなった結果、デンティン色よりも白みが増しているように見える。図4 シェル状クラウンを裏返して置いてみると、さらに強く黒背景の影響を受け、透明度の違いを顕著に確認することができる。1267デンティンの透明度と明度変化の検証
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