インプラントを使用して長期的に良好な予後を目指す補綴治療では、最終補綴装置をイメージしつつ、咬合支持を担うインプラントを術前に計画された位置に正確に埋入することが求められる。そのため近年においては、治療計画時に予定されたインプラント位置をより忠実に口腔内で実現するためのガイデッドサージェリーの重要性が広く認知され、臨床応用が広がっている。現在では、一般的に普及している静的ガイデッドサージェリーのみならず、サージカルガイドを用いずにリアルタイムで埋入窩形成時のドリルの位置と角度、インプラント埋入時の位置関係が把握できる動的ガイデッドサージェリーの普及も進んでおり1-4(図1、2)、筆者も、ほぼすべての症例で静的ガイデッドサージェリーを行っている(図3)。また、ガイデッドサージェリーを行うための術前治療計画用として、*1歯科医師・医療法人社団豊翔会 千葉歯科クリニック*2歯科技工士・T.A.C. dentfield*3歯科医師・医療法人社団豊翔会 南2条千葉歯科クリニック北海道札幌市中央区南8条西9丁目756-3北海道札幌市豊平区平岸二条3丁目6番30号北海道札幌市中央区南2条西10丁目7-1*1須田善行 Yoshiyuki Suda/*2吉澤琢真 Takuma Yoshizawa/*2末廣幸子 Sachiko Suehiro/*3千葉豊和 Toyokazu Chiba20QDT Vol.49/2024 December page 1322Feature article #1各インプラントメーカーやデジタル関連の企業からさまざまなシミュレーションソフトが発売されており、昨今では術者や歯科技工士が自分に合ったメーカーのものを選択してデザインを行うことができる状況となってきている5(図4)。 こうしたインプラントの術前治療計画では、口腔内の状況に応じてインプラントシミュレーションソフトでCTのDICOMデータと口腔内の情報をマッチングする必要があり、その方法として、粘膜や歯牙負担のラジオグラフィックガイド(以下、RGG)を使用し、RGGを口腔内に装着後CTを撮影、そのDICOMデータとRGG単体でCTを撮影したものを重ね合わせるダブルスキャニングを行う方法で術前治療計画を行うものが一般的であるが(図5)、その他にノーベル・バイオケア社からリリースされている、患者のCT撮影はじめに術前インプラント診断時CTデータのメタルアーチファクトを避けるために使用する口腔内アプライアンス(OA)製作とその使用方法
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