41咬合再構成におけるクロスマウントテクニックの有用性とその手技について(後編)QDT Vol.49/2024 December page 1343図2 咬合再構成を行う症例は、歯や咀嚼筋、顎関節、中枢神経などの顎口腔系の組織がうまく協調していない状態、つまり病的咬合の状態である。臨床における咬合の分類と目標1ことは想像に難くない。そのような症例では、正常な下顎位に収束させるように咬合再構成を行う必要がある。他には、生理的咬合であっても、全顎的に補綴装置を装着しなければならない症例や、矯正歯科治療を行う場合も咬合再構成の手法をとる。病的咬合生理的咬合咬合治療咬合調整スプリント療法咬合再構成部分的治療・補綴治療(全顎的)・矯正歯科治療(全顎的)・補綴治療(部分的)・矯正歯科治療(部分的)潜在的病的咬合顕在的病的咬合・咬合性外傷 一次性咬合性外傷 二次性咬合性外傷・咬合崩壊・顎関節症生理的咬合現在の咬頭嵌合位 →維持 →変更(小)治療咬合現在の咬頭嵌合位 →変更(大)生理的咬合現在の咬頭嵌合位 →維持咬合再構成の流れ 咬合再構成を行う症例は、歯や咀嚼筋、顎関節、中枢神経などの顎口腔系の組織がうまく協調していない状態、つまり病的咬合の状態である(図2)。 とくに、臼歯部が完全に欠損し、咬合支持を失っているような症例では、下顎位が病的に偏位してしまう
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