QDT 2025年2月号
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QDT Vol.50/2025 February page 0191色合わせにおける写真の重要性歯科における「色調構築」の再考(後編)せっかくフルサイズのカメラで撮影していても……図1 歯科医院から実際に送られてきたシェードテイキング写真。この写真のなかで色合わせのために欲しい情報は白の点線内だけである。また、この写真は撮影する角度もよくない。図3 歯科技工士が撮影して送られてきた写真。一見きれいに撮影されているように見える写真ではあるが、目標としている歯にシェードガイドを合わせておらず、製作者がどんな情報を求めているのかを理解しきれていないことがうかがえる。 われわれが審美的な補綴装置を製作するにあたり、写真は欠かすことができない情報源である。適正露出でのシェードテイキングは、色調の印象採得作業だと思っていただきたい。ここに対して歯科技工士が強調して注意喚起を行うのは、歯科医師もしくは患者から「色調が合っていない」と言われ、再製作を強いられるからである。まずは、その写真撮影に対する筆者の考えを述べたい。 臨床において、10人の歯科医師がいれば10パターンのシェードテイキング写真が送られてくる。写真は非常に重要な情報源であるからこそ、正確な情報をしっかりと伝えることができる写真を撮影するためのトレーニングを、歯科医師の教育課程の一環として取り入れていただくことはできないものかと希望している。 ひとつの例として、図1は実際に筆者のところに送られてきたシェードテイキング写真である。こういった写真はとくに珍しいものではなく、歯科医院からよく送られてく図2 図1の理想のサイズに写真をトリミングし、元画像上に並べた図。こうして並べてみると、約10分の1のサイズで撮影しており、フルサイズのカメラの良さが発揮されていない。これでは、なかなか色合わせを行うことは難しい。る。この写真は、フルサイズのイメージセンサーサイズ(36mm×24mm)のデジタル一眼レフカメラで撮影されたデータである。しかし、色調を確認するために欲しい情報が写されている部分に着目すると、フルサイズのイメージセンサーのおおよそ10分の1程度のサイズしか活かすことができていない(図2)。これではせっかくフルサイズのデジタル一眼レフカメラで撮影している意味がなく、1型のイメージセンサーサイズ(13.2mm×8.8mm)のコンパクトカメラで撮影しているのと変わらなくなってしまう。 また、撮影するアングルに関しても、患者の顔を咬合器に見立て、補綴装置を製作すると思われる角度から撮影をして欲しいと考えている。 なお、必要な情報が何かを認識しないまま撮影してしまう場合があるというのは、歯科技工士が撮影した場合でも大いにあり得る話である(図3)。45

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