QDT 2025年3月号
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るとさらに工程が増える)が必要だったが、IOSの登場 IOS(Intra Oral Scanner:口腔内スキャナー)は、その精度に関する質問が絶えない注目のアイテムになっている。デジタルデンティストリーの象徴ともいえるIOSは、煩雑な印象採得の作業を一新し、作業時間短縮を実現する画期的なアイテムとして広く知られるようになった。従来の印象採得に慣れた臨床家にとっ IOSがもたらした恩恵の中でもっとも注目すべきは、歯科技工士に対する影響かもしれない。チェアサイドでの作業時間短縮だけでなく、ラボサイドにおけるワークフローにも革命を起こしたのだ。 たとえば、歯科技工所経営者たちの悩みの種だった「模型製作要員」の問題がIOSに対応することで一挙にて、これほどの効率化は夢のような話だろう。事実、IOSの出荷台数は過去5年間で2倍以上に増加しており、その人気はとどまるところを知らない。今後、IOSが補綴治療の新たなスタンダードとなることに疑う余地はなく、導入に慎重な歯科医院においても、その動向から目を離せない状況になっている。解決した。従来のワークフローでは、模型製作からCADデザインに至るまでに6工程(細かい作業を含めによりこれらがすべて不要になった(表1)。この「モデルレス技工」の実現こそ、いわゆる「フルデジタル」の補綴治療の真髄である。髙瀬 直Dental Labor GROSS東京都渋谷区神泉町16-14 サンフォンテーヌ渋谷101QDT Vol.50/2025 March page 0314Feature article #242はじめに─フルデジタルとは? IOSが変えた補綴治療の未来IOSの恩恵はチェアサイドだけじゃない!モデルカットテクニックを応用したIOSフルデジタルの勘所Feature article #2

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