QDT 2025年3月号
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―その理論とテクニックを整理する―Kenichi Matsuda歯科医師:医療法人社団ハイライフ 大阪梅田歯科医院大阪大学大学院歯学研究科 有床義歯補綴学・高齢者歯科学講座 臨床准教授大阪府大阪市北区梅田2-6-20 パシフィックマークス西梅田2F松田謙一 連載 義歯臨床の成功率を高めるBPS─その理論とテクニックを整理する─連載ライン)を確実に指示することが重要となるが、その際68QDT Vol.50/2025 March page 0340 前回はBPSにおける概形印象のコンセプトとテクニックについて解説を行った。通常の義歯臨床のステップでは概形印象が終わればその日のアポイントメントは終了することが多いが、BPSではあと2つ実 前回述べたように、BPSの概形印象のコンセプトでは辺縁形成を行わないことから、過延長な辺縁となっている可能性が高い。そのため、歯科技工士に特別な指示をせずに個人トレーの製作を依頼すると、辺縁が長すぎるトレーとなってしまうおそれがある。 したがって、歯科医師が個人トレーの外形線(トレー施しなければならない項目がある。すなわち、1つ目は可動域の記録、2つ目が簡易咬合採得である。今回はその2つについて必要性と実施の際のポイントを解説したい。に非常に有用な情報のひとつとして、粘膜の可動域のラインが挙げられる(図1)。BPSでは概形印象採得後、印象体に粘膜の可動域のラインを必ず記録することとされている。そして、そのラインを参考にして、歯科医師と歯科技工士がディスカッションした上でトレーラインを決定することが重要となる。義歯臨床の成功率を高めるBPS義歯臨床の成功率を高めるBPSBPS可動域の記録と簡易咬合採得第3回可動域の記録の必要性とははじめに

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