トレーラインの記入1.下顎下顎ランドマークの記入ab可動域の記録の術式69QDT Vol.50/2025 March page 0341第3回 可動域の記録と簡易咬合採得 可動域の記録には、文具店などでも容易に入手できる水溶性の色鉛筆が便利である。同鉛筆を用いて、まずは下顎から可動域のラインを記入する。 最初に、歯槽頂・レトロモラーパッド・顎舌骨筋線といったランドマークを印象体に記入する(図2)。続いて、頬粘膜を手指で牽引して、可動する部分と可動しない部分の境界ラインを観察しながら記入するプローブで計測しながら記入するとわかりやすい。 続いて、前歯部唇側は軽く口唇を手前に引き上げ、可動する部分を見極めて、同様に記入する。舌側前方部は舌を挙上させ、どこまで口腔底部が可動するかを観察して記入するが、顎堤の吸収が大きい患者の場合には、基本的には舌側の骨の縁を越えるところまでは被覆するようにラインを引く。 最後に、舌側後方部は可動域が観察しにくいため、顎舌骨筋線を2mm程度越えるラインを記入して終了する(図4)。図1a、b 何も情報のない過延長な辺縁の研究用模型ではトレーラインを決定するのが難しい(a)。粘膜の可動域の記録等を参考にしながら歯科医師が大まかなトレーラインを先に記入しておくことが大切である(b)。(図3)。その際、歯槽頂から可動域までの距離などを図2 水性色鉛筆を用いて、まずは歯槽頂・レトロモラーパッド・顎舌骨筋線といったランドマークを印象体に記入しておく。
元のページ ../index.html#6